乱含み、米金融市場をめぐる材料に一喜一憂=来週の東京株式市場
[東京 12日 ロイター]
来週の東京株式市場は、波乱含みとなりそうだ。
米金融システム不安が根深いとみられていることに加え、
世界的な景気減速への懸念が強く、原油価格の
下落など好材料に対する反応も鈍っている。
国内政局が事実上空転しているため、国内からの
買い手がかりは期待しにくい。
売買高が盛り上がらない中、米金融市場をめぐる材料に
一喜一憂し、株価は不安定な動きが続くと予想される。
来週の日経平均株価の予想レンジは、1万1800円─1万2600円。
<投資家のリスク回避指向は継続か>
焦点となっているリーマン・ブラザーズ(LEH.N: 株価 , 企業情報 ,
レポート )救済の具体策がはっきりせず、市場は様子見姿勢を
強めている。米ワシントン・ポスト紙(電子版)は11日、
米政府がリーマンの会社売却について調整を行っていると報じた。
それによると、財務省と連邦準備理事会(FRB)はリーマンを
民間企業の連合体を通じて売却する方向で調整している。
売却は今週末に完了し、15日のアジア市場の取引開始前に
発表される見通しという。
連休明けの株式市場は、リーマンの売却先や救済策が
決まれば、いったんは好感して株価も上値を試すことが
予想される。しかし、投資家のリスク回避指向は容易に
変わりそうもない。
「リーマンの売却先が決まっても、これで米金融機関の問題は
終わりかという疑念が残る。
ヘッジファンドの解散に伴う資産売却や個人の追い証(追加
担保の差し入れ義務)発生に伴う売りなど足元の需給
懸念もある」
(日興コーディアル証券エクイティ部部長の西広市氏)とされ、
積極的に上値を買うムードには転じにくい。
直近の経済統計にはさえない内容が多いほか、想定以上に
円高/ユーロ安が進んでいることなどから国内の企業収益も
足元で悪化しているとの観測が出ている。
「中国向け輸出にもかげりが見えてきた。新興国の需要鈍化は
気がかりだ。株式市場は7―9月期の減益を織り込み
切れておらず、株価に下振れリスクが残る」(三菱UFJ証券
シニア投資ストラテジストの吉越昭二氏)と先行きを警戒する
声も出ている。
<国内からの好材料は出にくい>
自民党が総裁選に入っているため、政局は事実上空転。
「早期の総選挙が予想されることを考えれば、政治の安定は
先送りになる。国内からの好材料は出にくい」(準大手証券
情報担当者)という。
株式市場は引き続き米金融セクターにらみの展開になりそうだ。
16日以降のゴールドマン・サックス(GS.N: 株価 , 企業情報 ,
レポート )、モルガン・スタンレー(MS.N: 株価 , 企業情報 ,
レポート )など米投資銀行の決算では、減配や評価損
拡大などが懸念材料になる。翌週はメリルリンチ(MER.N: 株価 ,
企業情報 , レポート )、シティグループ(C.N: 株価 , 企業情報 ,
レポート )などの決算が続くため、「投資家の警戒姿勢は
緩みそうもない」(準大手証券情報担当者)とみられている。
経済指標では15日に8月の米鉱工業生産、16日は8月の
米消費者物価が発表される。16日の米連邦公開市場
委員会(FOMC)では今のところ金融政策の変更はない
とみられているが、声明文で経済成長の鈍化について懸念を
強めているのか、あるいはインフレ上昇が主要な懸念要因で
あるのか、景気とインフレのバランスを見極めたい、という。
「追加の流動性供給などポジティブ材料が出れば、
株価は上昇するタイミングでもある」(大和証券SMBC
グローバル・プロダクト企画部部長の高橋和宏氏)という。
国内では16―17日に日銀金融政策決定会合が行われる。
白川総裁の会見(17日)が注目される。株式市場では
9月中間期の権利付最終売買日を24日(25日に権利落ち)に
控え、高配当銘柄を中心に配当取りの動きが出る可能性もある。
(ロイターニュース 河口 浩一記者)