鈍色

片手で赤い箱を捜し当て
相変わらずのしかめっ面で
煙草を燻ゆらせながら
深い溜め息を吐く



私と一緒に居て
本気で笑った事なんて
数える程しか無いでしょう


訝しげな貴方を見て
私だけ楽しくはして居られない


気を取り直して
素敵な作り笑いを浮かべたなら
嘘を抱いてお出かけするの


いつもそう



お茶をして
貴方の好きなお洋服を見て
美味しい物食べて
手を繋いで眠る



不満なんて一つもありません
って顔しないと

貴方の顔がまた曇るから



願いはひとつだけ


叶う事は
到底無いけれど


いつでも

ひとつだけ

願望

可愛くなりたい


痩せたい


ソープなんて辞めたい


でも一緒に居たい


子供が産みたい


結婚だってしたい



貴方とは出来ないけど



相手は貴方じゃなきゃ嫌だ



どうすればいい


いつになれば報われる



悪循環でしか無いのに



抜け出す事さえ出来ない

矛盾

貴方が欲しがった

貴方だけに向けた

ﾍﾋﾞｰ級の愛情は


今は貴方を苦しめている



自分だけを見て

毎日好きだと言って欲しい

嘘を吐かないで欲しい

変わらないで居て欲しい



私は貴方が思う以上に

貴方を愛してます


もちろん交わした約束は


破らず貴方だけを見てる



重い愛が欲しいと言ったのは

貴方だったのに



私から
離れたそうな貴方を

離してあげれないのは


愛じゃなくて

エゴなのかな