職場の先輩の息子が交通事故で亡くなったらしく
出稼ぎだった先輩は急遽九州へと帰った



最近会社の設備が不調の為
客先への出荷が先送りになっており
管理職はピリピリモード

そんな矢先に起こった夜勤者の欠員
普通なら夜勤だけ先輩が担当しているラインを止めるところだが
そうもいかないらしく
そのラインを担当できる俺ともう一人のおっさんが呼び出された

「悪いが8時間の残業をどちらかに頼みたい。手当てはもちろんつくし査定で色もつける。」と上司

ちなみに俺はすでに四時間の早出出勤をしていたため
上司はおっさんに頼み始めた

しかしおっさんは訳のわからぬ理由を言い初めて断り続ける

聞いていてイライラしてきた俺は
「自分がやります。」と言った

その瞬間おっさんは「北見は働き者だな、そんなに金が欲しいのか?」と言った


殺そうと思った


しかし俺は無視し
上司が彼を叱った

おっさんは俺を嫌っている
過去には寮で刃物を突きつけられたこともあった

俺はそんな言動をずっと無視してきた





結局残業は俺がやることになった

上司との話しが終わり
休憩室に戻る途中

おっさんが「恥かかせやがって」と言い放つと同時に
後ろからケンカキックをしてきた


何かがキレると言うが
その瞬間
俺の自意識は消え去った


振り向いておっさんの首を右手で鷲掴み
そのまま壁に叩きつけた
そして少しずつ右手を締めていく

おっさんは両手で俺の手を離そうと力を入れるが
全力で体重をかけているのでびくともしない
次の抵抗として蹴りを試みたのだろうが
足が上がった瞬間に察した俺が
その上から先に蹴りを入れて封じてしまった

恐らく時間にして15秒程

不意におっさんがかすれた声で「ごめん」と言った









俺の手は緩み
虚しさが俺の全てを包み込んだ
昔にも感じた感覚
全てが色あせる
きっと絶望に近い感覚














小学生のころ
俺はいじめられていた

肥えていて
図体の割に
気弱でひ弱だったからだ

いつしか奴らをねじ伏せる力を望んだ

そして中学になって柔道部に入った
少しずつ体は変わっていった

中学2年の秋に
俺は俺をいじめ続けてきた三人をトイレに呼び出した

徹底的に殴り倒した
便器に顔をこすりつけた

「ごめん」と彼は言った









俺に残ったのは虚しさだった
あれほど望んだ暴力だったのに


確かに自分の殻を破いた瞬間だった
でも
中には得体の知れない化け物がいた

俺は自分にびびってしまった

全てが色あせた












あの絶望と同じ思いなのだ

今後おっさんがどんな姿勢に出るかはわからないが

どうでもいい


ここに居場所はないし
もともと求めてない




ただ俺は傷つけることでしか

生を築けないのだと

再実感させられた












死んでしまいたい

消えてしまいたい




でも呼吸を続けなければいけない


生きて
大切にしないといけない想いが
今 俺にある













どうすりゃいい

わからない迷子のまま

ただ君を想えることに

苦しみの中で

感謝する















図々しいが
俺は
生きていく






愛を理解したい

金を払う価値などない

心はただれるばかり

くだらないな

くそ







次 君に会うとき
一つ真実を語ろう
些細な嘘なのかもしれない
けれど
嘘は嘘だ
嘘をついていたんだ



真実を君だけに

話すよ










相変わらず

死にたい

また
心からそう思ってしまった

変われないのか
このままなのか
諦めればいいのか






嫌だ

このままでは
触れた意味がないな
選択がゴミになってしまうな

独りのままでいいのに
俺はそれを拒絶したんだ

これを最後の弱さにしたい

最後にするんだ

いつか終わるのかもしれない
いや
確実に終わるんだ

でも
それは関係ないな

俺がどれだけ俺に向きあえるか

君がどれだけ君に向きあえるか


溶けよう
君に

溶けよう
俺に








覚悟の価値を
俺らが決めよう








最近音楽が聴けないから
俺は音苦を奏でる

純粋に
きっと
切実に
ずっと





苦しいが

いいだろ







うん

憂鬱は晴れないが

純粋は濁らないぜ