先月の幹事長訪露そして秋に向けて行われる漁業交渉も
結局人質を取られたまま交渉でしょうか?
ロシア側に裁判権が無いのにこのままうやむやにする気か?
拿捕、初公判は延期
http://www.asahi.com/national/update/0911/TKY200609110200.html
(朝日)
漁船拿捕事件で船長起訴
http://www.sankei.co.jp/news/060904/kok095.htm
(産経)
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麻生さんはあくまで露側の責任を前面に出しているのに
官僚ベースでの塩崎対談では日本側責任にも触れてしまう。
日露電話外相会談
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/18/rls_0828a.html
(外務省8.28プレスリリース)
麻生大臣
「一刻も早い乗組員3名と船体の解放の実現が極めて重要である。」
「本件の背景にある未解決の領土問題」
ラヴロフ外務大臣
「再発防止に向けて、日本側関係者の努力を求める。」
麻生大臣
「領土問題に関しては我が方立場がある」
「露側が最大限の自重と抑制をもって対応すること」
「乗組員3名と船体の一刻も早い解放が重要である」
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塩崎外務副大臣8月18日於モスクワ
アレクセーエフ外務次官との会談
http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/fuku/shiozaki/hoppo_06/gaiyo.html
(外務省8.18プレスリリース)
塩崎副大臣からの申入れ
「日本政府から関係者に改めて指示を徹底する等の対策を講じている」
「露側においても、生命が失われるような重大な事件が再発することがないよう」
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で↓を考える。
<プーチン露大統領>北方四島の領土問題解決を希望
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060912-00000020-mai-pol
(毎日9.12)
プーチン大統領は9日、モスクワ郊外で開かれたロシア研究者・専門家との
会合で日露平和条約締結交渉に関連して
「(焦点の)領土問題を解決したいと思っている」と述べた。
「領土問題は以前、日本で国内の政治ゲームに利用されたが、
今の日本は本気でこの問題解決を望んでいると理解している」と語った。
また2年前に中露国境画定交渉が妥結したことに言及した。
露はどちらにしろ日露平和条約による安全保障上のギャランティーを
確立したいわけで・・かといって権益に関する交渉は優位に進めたいと。
結局、ロシア側は小泉政権にメッセージを送って拙速対応を求めるが
根が深いとして小泉政権の動きは鈍い。
「領土、任期内に解決」 プーチン大統領、交渉進展に意欲
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060912&j=0026&k=200609110799
(北海道)
結局大統領は二島返還でまとまると思っている。
拿捕に関しては↓の見方が近いと思いますが
プーチン政権 領土保全の意識強める 好況反映 北方領土に巨額投資
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20060816/20060816_074.shtml
(西日本8.17)
↑でも私は解釈がちと違うと思います。。
露は対日交渉上の北方領土の
「価値」「値打ち」を高めているのです。
そして拿捕射殺は
権益交渉を優位に進めると同時に
我が国世論が北方領土への意識が薄れている現状に対して
一発かましてやろうとしたのだと思います。
そして我が国の「北方領土問題早期解決」世論
の高まりを狙ったのだと思います。
狙いは日露平和条約の早期締結です。
これは一時高まった「二島先行返還論」を軸とした
間違ったメッセージを元にプーチンが急いでいる部分もあり、
その箇所については早期に是正、解決しなければなりません。
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ところで二島先行返還といえば
少し前に「鈴木宗男」さんに少し期待している」と書きましたが
対露外交に関しては何も期待していませんし期待しても今の鈴木さんに
は何も出来ないでしょう。
外務省の問題点をどんどん突いてほしいとは思いましたが
先日対露外交の貢献者とも言える職員へも矛先を向けたので
「おいおい」と思っています。
もともと我が国の対露外交は末次一郎氏という
戦後の我が国を支えてきたまさに「憂国の士」「国士」とも言われる
偉人の努力により、少しずつ解決に向かっていました。
そしてソ連崩壊によりあともう一歩というところで台頭してきたのが
鈴木宗男さんです。
鈴木さんは「二島先行返還」が現実的であるとして
末次一郎氏の「四島一括返還絶対原則論」と激しく対立します。
そして外務省の対露関係から末次氏の影響力を徹底して排除
していきます。
やがて末次一郎氏がお亡くなりになり、鈴木さんが絶対権力者と
なると外務省の対ロ外交は大きく狂って行きます。
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上の記事に袴田さんの名前が出たので鈴木さんにも関係する
事を書きますと
袴田さんというのはソ連に亡命した元日共幹部の息子さんという事で
背景的な疑問を持つ人もいますが基本的に対露専門家としての
評価は非常に高い人であり、末次氏主宰の安全保障問題研究会
幹部・つまり末次氏のブレーンであるから思想的基盤は信頼できる
人と思っています。
今でも外務省には末次派(原則派)が生き残っていますので
上の「プーチン談話」は袴田さんの外務省原則派への
メッセージともいえます。
つまりロシアは日露平和条約早期締結を望んでいるのです。
しかしその国家的な「厚かましさ」を理解したうえで
領土問題完全解決を目指さなければなりません。
ちなみに袴田さんの異母妹はロシア有力政治家です。
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さて上の末次一郎氏ですが私は末次一郎先生として尊敬しています。
一部では「影の参謀」とか「黒幕」とか「フィクサー」とか「右翼」とか
何かといわれていますが実際の先生はまさに「心優しき憂国の士」です。
もちろん間違った事に対しては激しく叱責される事もあったでしょう。
歴代首相の相談役としても有名ですが、政界に多数の「自称弟子」
があったのも事実です。しかし亡き後その意志を継いでいる政治家は
どれほどいるでしょうか?
先生が亡くなられて言動がぶれたり変節した輩も多数います。
末次先生は政界への招きを何度も受けられますが
それを断って国家のために尽くされました。
もし政界に行かれていたら大政治家となられていたでしょう。
もしご存命であれば今の対露外交はもっと進展していたでしょう。
天皇皇后両陛下はじめご皇室とのご交流も深きものがありました。
富田メモの如き問題にはなんと意見されたかと思います。
末次一郎先生 晩年
野中・鈴木氏への忠告
http://www5.hokkaido-np.co.jp/seiji/suzuki-kyojitsu/5/1.html
(北海道)