昨日、あるきっかけで知り合いになった

不動産業者の営業の方が家に訪ねて来られました。

 

普段どおり他愛のない話をしているとつい会話に花が咲き、

営業について熱く語り合ってしまいました。

 

 

私にとっては大先輩であり、尊敬する人生の師でもあるその方の人生観、営業に関する考え方について聞かせていただくことができました。

 

 

曰く、

私たちのような田舎の営業マンというのは、

ちょうど近所の家電屋さんに似ていると言われるのです。

 

 

「値段だけで言えば、大手の家電量販店の方がきっと安いでしょう。それでも、ちょっとした困りごとを頼みたい時などは、近所の顔なじみの家電屋の方がお願いしやすいし、大した問題でなかったり急がなければ、良心的に対応してくれます。要は購入するときの値札には現れない、お金では計れない価値があるんです。ですから、私はつい、近所の家電屋さんで買ってしまいます。」

 

 

営業マンとして大切な普遍的な価値観を再認識し胸が熱くなりました。

 

 

営業であれ他の仕事であれ、

誰かの役に立っているからこそ存在価値があるのですが、

お客様にとっての『価値』とは、値札に見えるものが全てではないということです。

目先の数字にばかり囚われていると、こんな大切なことが見えなくなってしまうところが恐ろしいです。

 

医薬の営業時代にはよく、

「同じ値段であれば自分を選んでもらえるような仕事をしろ」

と言われたものです。

値札に現れない価値も大切にお客様に提供していきたいものです。

 

 

今日の心がけ

目先の数字ではなく、値札に現れない価値を大切にしましょう

 

(失敗談)小さな荷物、大きな入れ物

 

今回は私の数ある失敗談の中から、

今も大切にしている教訓をご紹介します。

 

 

 

大切なお届け物を紛失したというエピソードです。

 

新社会人1年目、

営業として全く結果が出ず、数字を見ればいつも10数人いる同期の中でぶっちぎりの最下位でした。

 

当時は会社に帰ると毎日、上司から厳しい指導を受け、

ある種の人格否定のような内容もあって完全に自信を失っていました。

 

言動も萎縮し、萎縮すればするほどますます失敗が重なります。

当然、お客様にもそんな姿は見透かされていたように思います。

 

ある日、お客様Aから別のお客様Bあてのお届け物を預かりました。

それはとても大切なものですが、小さな荷物だったのです。

 

お預かりした物を届ける。ただそれだけの頼まれごとです。

でも、当時の自分にはそんな簡単なことすら全うできない状況でした。(今振り返ると、明らかに自分の努力不足もあったのですが…)

 

 

 

 

あろうことか、

大切な荷物を道中で落としてしまっていたのです。

 

 

 

お届け先のお客様Bの名前がメモ書きが付いていたので、

親切にも拾ってくれた方が、届けてくれていました。

 

 

正直、落としていたことにすら気付けずに、

お預かりしたお客様Aから連絡を受け、

知ることになったのです。

 

 

今では信じられないようなミスですが、当時の自分を思い起こせば起きるべくしておきた事故だったと思います。

 

 

その時、大変憤慨されたA様は、

お怒りの中でも私のために、

 

「小さな荷物ほど、必ず大きな入れ物に入れて運ぶように心がけなさい」

 

と教えてくださいました。

それから、10年以上経ちますが、

今でもこの教えは必ず守るようにしています。

 

物の大きさと価値は一致しません。

お客様からお預かりした物は、

大小関係なく等しく大切な物です。

 

 

今日の心がけ

『小さい物ほど大きな入れ物に入れる習慣を持ちましょう』

 

 

 

 

『メラビアンの法則』をご存知でしょうか?

 

心理学の研究結果では、相手に与える印象は、

「視覚情報が55%」

「聴覚情報が38%」

「言語情報が7%」と言われています。

 

 

営業職や人と応対する仕事をされている人で、

「視覚情報」、清潔感等を含めたいわゆる『見た目』に全く無頓着というのは少ないと思います。

営業職、社会人として差が出てくるのは、

「聴覚情報」なのかもしれません。

 

 

有名な著書、『人は見た目が9割』に記される9割とは、

非言語情報全般を表すもので、

ルックスなど視覚情報のみに重きを置くという意味ではありません。

今日は、私が医薬品の営業時代に「聴覚情報」の重要性を認識することになったエピソードをご紹介します。

 

 

 

入社7年目の当時私は、そのエリアでの経験も長くなり、

仕事内容も比較的安定してきたことから、

クレーム先や取引が縮小した先との関係立て直しを命ぜられる事が多くなっていました。

A薬局との取引回復を任され、日々信頼を構築すべく奔走していたある日朝のことです。

A薬局に注文確認の電話を掛けたところ、こちらが一言発する隙なく、

薬剤師の先生がすごい剣幕で叱責をされたのです。

 

 

「おたくは最近対応が遅いしミスが多いよ!」

 

 

・・・正直なところ自分には身に覚えがありませんでした。

こちらの勘違いでなければ取り立てて大きなミスをした記憶もありません。

 

それでも、万が一、自分の気づかぬところで思わぬ失敗を犯していた可能性もあります。

(ミスという意味では、恥ずかしながら自分を疑った方が間違いない自信もありました…)

 

 

私は、心からの反省の気持ちを込めて、

「申し訳ありません、ご迷惑をおかけしました」

 

そう伝えました。

先生は少し心を落ち着けられたのか、もう一言二言発せられて、事務員さんと電話を変わられました。

 

 

すぐにわかったのですが、苦言を伝える業者を間違えられていたのでした。

後から、直接お電話いただき、お詫びの言葉をくださいました。

その時のやり取りは今でもよく覚えているのですが、

私がお返事として一言目に伝えたのは、

 

「お忙しいところお電話た私が悪いのですから、

気になさらないでください。」

薬局さんは少ない人数で業務の波がある中で

必死に業務をされています。

日々、その姿を目の当たりにしていた私にとって、

当然の一言でした。

 

その後、取引は徐々に回復し、

私が退職を機に後輩に担当を引き継ぐ際には、

失っていた取引は概ね取り戻すことに成功しました。

仕事が変わった今でもお付き合いのある、

大切な人生の先輩です。

 

「あの場面で自分のことと思い心からの言葉を聞いて、

信頼できると思った」

売り上げが戻りつつあるある日にふといただいた言葉です。

 

言葉の内容よりも、電話越しでも伝わる本気さ、

言語で表せられない真剣さが伝わったのではないかと思っています。

 

 

「第一声が相手に与える全てだと思い、

内容ではなく気持ちを込めるようにしましょう」