公演が終わって二日。やっと落ち着いて日記を書ける時間ができたので、振り返っておこう。


 9月28日金曜日。稀に見るいい天気だった。もうすぐ10月だというのに気温が30度を超える熱さ。

 朝8時半からセットの搬入をはじめ、仕込を行う。ばらばらのピースとしてセットは見てきたが、この日初めて全てそろった姿を見た。

 想像を超える美しさだった。鮮やかな紺と黄色を基調としたじゅうたんとテーブル。照明に照らされて高級そうに見える(笑)ソファー。色もあってる。棚を作ったことで室内の独特な閉鎖感が増した。それからうしろにかけられた白い布。照明のセッティングを変えるたびに白い布が変幻自在に変化し、シーンを盛り上げることに成功した。


 想像以上のセットの出来栄えに俄然テンションが上がった。

 

 前日だというのに少しグダグダ感があり、結局テクプラが始まったのは夜の6時過ぎ。大幅に時間を押した。テクニカル項目は膨大な数に上った。すでに音響・照明会議できっかけは事前会議で話し合ってたとはいえ実際に役者を交えて全部確認するのは初めて。緊張した。

 テクニカル・プラクティスが演出家にとって一番しんどい作業のひとつだと思う。その理由は短い時間で膨大な量の決定項目があるからだ。

 すっと今まで頭の中で描いてきたことが目の前で見れる感動もあるが、それ以上に過度のストレス。髪の毛が抜け落ちそうだった。


 途中一度休憩を入れただけで夜12時までほぼノンストップで続けた。

 役者も疲れてただろうに、何度の同じシーンを繰り返し練習しても何一つ文句も言わず、そのたびに本気で演技をしてくれたことが何よりうれしかった。

 裏方さんもきびきび動いてくれて助かった。


 ありがとう。お疲れ様。


 終わった瞬間、ストレスから開放され疲れがどっときた。このまま劇場内で泊まっていきたい気分だった。

 

 家に帰ったのが2時。布団に入ったのが3時過ぎ。

 次の日は本番。

 怒涛の3日間の始まりに過ぎなかった。


 つづく!

 無限舞台の「約三十の嘘」プロジェクトの演出を任されここまで徒然なく綴ってきた日記だったが、ようやく公演2日前。明日からはもう日記を書く時間なんてないから、公演前の日記は実質的にこの日記が最後になるだろう。


 おもえばよくここまでやってこれたものだと感心する。全てが初めての綱渡り状態。何度となく迎えた危機。モチベーションの管理。もちろん楽しかったが、それだけではなく嫌な思いをさせたり、させてしまったりで決して平坦な道を通ってきたわけではない。


 いままでのDirector’s Noteを振り返ってみた。大昔の日記を読み返してるかのようだ。懐かしさすら感じる。



 明日は朝から劇場入りしてテクニカルプラクティス。


 そしてあさっては公演。


 この日のためにやってきたんだ。

 

 本番まであと2日。

 最後まで駆け抜けよう。

 意識してなかったけどどうやら疲れが溜まっていたようでぶっ倒れました。昨日。

 8時半ぐらいまでは意識があったんだけど次に気付いたら夜中の2時でした。なぜか車のなか。駐車場に停まっていました。体中が痛くてやばいと思ったのでおうちに帰りました。

 今考えればよく帰れたなと思うけど、帰ってみました。そしてそのまま布団に吸い込まれまた爆睡。


 朝方6時前に一回目が覚めたけど、動けないのでそのまま8時まで眠り続けたら起きることができました。とりあえず大量に朝飯を食って更にもう一眠りして起きたら割と元気になりました。

 

 朝9時から普通に仕事できた。


 なんだったんだ?


 まあいいや。今はなんともないし。

 これからメシ食ったらバーミヤンで音響照明会議。大詰めだ。

 

 今作品はかなり音響と照明にこだわるつもりだ。劇場という限られた空間をいかに電車内を変えるかは音によるところが大きいだろう。いろいろな仕掛けを施して観客を豪華寝台列車にご招待しましょう。

 今回の作品の試みとして、序盤途中でオープニングを差し込む形式を取ってみた。最初は自己紹介がてら役者が音楽に合わせて登場だけだったが、見栄えをよくするために短いダンスを入れてみようかと思い、決行した。

 この時期にダンスを加えることに役者は最初たじろいだが、やってみれば何のその。みんな覚えが超早い。しかも動きにキレがあってやって正解だった。


 しかし、どういうわけか役者からのブーイングで「お前も覚えろ」と言われ、一緒にレッスンを受けてはみたものの、俺のリズム音痴は病的であり、障害等級があるならぜったい1級。手拍子はずれるし、カラオケでタンバリン叩けない。

  歌はうまくはないがある程度音符どおりに歌えているはずなのに、踊ることが出来ないのはどういうわけだ?

 そもそも俺の中に音楽に合わせて体を動かすと言う概念がない。エイトカウントってなんですか?

 

 タガログ語を覚えている気分だった。

 かに先生、お願いだから日本語でしゃべってもらえませんか? 

 そして可愛そうな子を見るような視線で俺のダンスを見るのが痛いです。

 

 1時間もしたら俺以外全員ほぼ完璧にマスターしたのに俺だけは全く踊れない・・・。


 約束だし覚えるけど・・・、これ自信ないな(泣

 

 

 どうでもいい話かもしれないけど今月はいったいいくら使ったんだ・・・?


 ガソリン代と電話代がすごいことになってるし・・・。

 外食費もばかにならない。


 演劇って金がかかるんだな~。時間だけでなく。