朝から調子が悪そうなオヤジ

数日前は有馬記念を観に行きたいと、だだっ子のように連れて行って欲しいと訴えてきたのだけれど。

東京のは雪が降りそうなほど冷え込んだ。

窓の厚手のカーテンを全て閉めストーブをがんがんに焚き温めたエンシュアを飲ませたのも束の間、手の痺れ酷く掴み損ないコタツの上にひっくり返す始末。

「今日は家で競馬見ようよ」

その問いかけにオヤジは小さく頷く。

予想などする気力もないようだったけど膵臓癌発覚当時から自分の思い願いを込めて数々のレースで本命にしてきた「キセキ」の単勝を買ってきて欲しいとオヤジ。

暮れの最後の大一番、おそらく人生最期の有馬記念。

どんな想いでレースを観てるんだろう。

2分30秒ほどのドラマはあっさり終わった。

オヤジの本命キセキは負けてしまい奇跡は起きなかったけど。

どんな顔して観ているのか覗き込むと強い眼差しでニヤリと笑みを浮かべ、リンゴをかじり始めました。

その姿がオヤジから私のクリスマスプレゼント。