昨日、お願いランキングを観たんです。
そしたらシネマアカデミーで第1位だったのです。

初めてCMを観たときは「どっかーん!」が印象的過ぎて
これは重たいテーマみたいだけど、ちょっとおふざけがある映画なのか?
嫌われ松子の中島哲也監督だし、そういうテイストなのか?
と思いました。

次にCMを観たときは、あれ?やっぱりおふざけじゃないみたい。
おもしろそうだけど、評判を聞いてからDVDレンタルかな。
と思いました。

でも、今日観に行って良かったです。
CMを観て気になると思った人は、ぜひ行ってみてください。
たぶんあなたがCMから想像する話ではないと思いますが
「面白そう」と思った、その印象は裏切られないと思います。

告白 公式サイト



********以下冒頭部のネタバレとあらすじを含む感想です********


CMで印象的な

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。
 このクラスの生徒に殺されたのです」

主人公である女教師の語りから始まるこの映画。
しかしこの物語の主眼は、いわゆる犯人探しではありません。
そしてこのセリフに至るまでには、それなりの時間が費やされます。
その間にわたしたち観客が観るものは、思い思いに雑談をし
携帯を弄り、完璧に大人をなめきった高校1年生の姿です。

そんな中、淡々と語る女教師のセリフは静かですが
妙な緊迫感があり、目が離せません。
そして落とされる爆弾は「娘を殺した犯人の正体」の告発と復讐でした。
犯人と名指された子どもはもちろん、クラスメイトたちにも大きな波紋を残して
女教師は学校を辞めます。

子どもたちに「命とは何なのか」という問いかけを残して。
そしてその種が芽吹き、更なる復讐が幕を開けるのです。

 * * * * * * * * * * * * * * * *

この映画は、冒頭の主人公の語りに顕著ですが
とても淡々として静かな運びで描かれています。
しかし退屈な事はなく、むしろその静けさが緊張感を呼んで目が離せません。
語り手が場面場面で変わり、同じシーンを違う視点で語る手法も
テンポが良く、飽きさせないつくりです。

画面は中島監督的な「嫌われ松子の一生」や「パコと魔法の絵本」とは対照的に
彩度の低い、白黒の印象が強い絵になっています。
しかし、ひとつひとつのシーンがとても美しく……
空や雨や血や……すべてが怖いくらい、綺麗で印象的であり
同時にリアリティが無いのです。
しかしその、痛いような現実を描いているのに妙にリアリティがない感覚が
思春期に感じた、おかしな万能感や薄っぺらさを表現しているように感じました。

また、特筆すべきは音楽です。
全ての音楽があまりにもぴったりはまっているので、
レディオヘッド以外はほとんどオリジナル曲なのかと思ったら
書き下ろしは意外と少なくて驚きました。
個人的に、こんなにも映像と音楽がマッチした映画は久しぶりです。
実に観ていて気持ちが良かったです。

それに登場人物の行動や、考え方、言葉の真偽などが
上手くぼかされているので、後から考える余地が残されているのもおもしろいです。
たぶん再度見直したら、もっと気付く事があったり
考えが変わったりしそうな気がします。
DVDはまだ先なので、わたしはとりあえず原作を読む事にしました。
あとサントラ買います。

「命とはなにか、そしてその重さとは?」
重いテーマでありながら、一切押し付けてくる事なく
しかし深く考えさせる映画です。
映像と音楽を楽しむためにも、興味のある方はぜひ劇場でご覧になることをおすすめします。

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最近買っている漫画の中でも、かなり続きを楽しみにしていた作品が

ついに完結です。

ちょっと残念なような、でもきれいにまとまって良かったような。


********以下あらすじを含む感想&紹介です********


主人公の葉村ヒカリは絵を描く事が大好きで、そのせいでちょっとクラスからは浮いている。

友人がつけた彼のあだ名はピカソ。

そんな変わり者の彼には、一人だけまとわり付いてくる友人がおり

二人で「河原部」として放課後を河原で過ごしていた。

そんな時二人は事故に遭い、奇跡的に一命を取り留めたヒカリには

不思議な力と、今後生き残るための条件が伝えられる。


それは人の心を映す絵を描く能力と、その絵の中に入り

悩みの元を正すという使命だった。


というのがサワリのあらすじです。


古屋兎丸は絵が上手いので、こういう話はすごく合うなあ!と思います。

現実世界は普通の漫画としてペンで描かれているのですが

心の中の世界は、ピカソが描いた通りに鉛筆で描かれていて

場面転換が一目瞭然な上、ファンタジックな雰囲気も出るというのは上手い手法です。


夢の世界は心理学的なアプローチも盛り込まれており、

ピカソが悩みを解決していく様はミステリの謎解きのようで楽しめますし

緻密な鉛筆画の世界は、人の心を映しているので美しかったりグロテスクだったりと

刻一刻と形を変えるのも見入ってしまいます。


悩みの内容も、高校生らしい悩みが多く
時には深刻なものもありますが、引っ張りすぎずに
ちょうど良い尺でまとめてあるので、読みやすいです。

また、ダヴィンチを尊敬してるから水の絵を描くとか、背が小さいのを気にしてるけど

ロートレックも小さいと言われてまんざらでもなかったりとか

作者が美術専門学校講師だけある!と思わせる小ネタが

物語の説得力に一役買っていると思います。


最終巻ではついにこの世界の謎、ピカソの能力とそれを導く彼女の存在について

スポットが当たり、見事に解決されます。

こんなにきれいに終わる最終回は久しぶりに読みました。

正直、とても感動してぼろぼろ泣いてしまいました。

青春物としても優秀な本作は、大人が読んでも楽しめる

ジュブナイル的漫画としてオススメしたい作品です。

巻数も、すごく分厚い全3巻と集めやすくも満足なボリューム。


ぜひご一読ください。ほんとに。


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全体的に値段が高いですが、めちゃくちゃ分厚いせいです。

3巻なんて、「小規模な生活」2巻の倍くらいありそう。