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"「DMC-FZ70」" 最近になってコンパクトデジカメの画素数インフレが収まってきたと思ったら、いつのまにかズーム倍率インフレが始まったようだ。
怖ろしいことに、かつてはコンパクトな普及型コンデジは3倍ズーム程度だったのに、いつしか5倍から7倍とズーム倍率があがり、もはや10倍ズームは当たり前、20倍ズームなんてカメラも普通にある。
【写真で見る:60倍ズームの迫力をあなたに――パナソニック「DMC-FZ70」】

となると、一眼レフカメラみたいなゴツめのでかいボディを持つ「高倍率ズーム」カメラも生半可なズーム倍率ではいられなくなるわけで、12倍程度ではじまったものが、24倍→32倍とどんどん上がってきて、2012年にはとうとう50倍ズームカメラが登場した。
24~1200ミリ相当である。1200ミリ相当ってめちゃすごいよ。
そして2013年、とうとう60倍ズームカメラが誕生したのだ。それがパナソニックの「DMC-FZ70」。
面白いのは、望遠側は1200ミリ相当にとどめ(とどめ、っていう焦点距離ではないのだけど)て、広角側を広げたのだ。
20~1200ミリ相当の60倍ズームである。超広角から超望遠まで60倍。
普通、ズームコンデジのレビューではワイド端とテレ端の作例を用意するのだが、60倍ってでかすぎて逆に難しかったくらい。
●60倍ズームの迫力をあなたに
撮像素子は1/2.3型 1600万画素 MOSセンサー。レンズは20~1200ミリ相当の60倍ズームで、F2.8-5.9。この高倍率でこの明るさを維持したのはエライ。
他社の50倍ズーム機よりちょっと明るいし。
さらにオプションで1.7xのテレコン「DMW-LT55」も装着できる。おそろしや。
実際、どのくらいのズームなのか、ちょいと天候が悪かったのでシャキッとしない作例だけどどうぞ。
ちなみに望遠端だとレンズがここまで伸びる。
さらにテレコンをつけるとこれである。
使ってて気になったのがISO感度。
フルオートである「おまかせiA」だと被写体が動いているかどうかなどを細かくチェックしてシャッタースピードやISO感度をコントロールしてくれるのだが、たとえば1200ミリ相当で稲穂を撮ったら、1/30秒というシャッタースピードになったのだ。
いくら手ブレ補正に自信があるからといって、1200mmで1/30秒はないだろうと。
さすがにかなり気をつけて撮らないとブレるので、高倍率時はEVFを使い、脇をしっかりと締めてちゃんと撮ること。
ISO感度は最高でISO3200。
ただし高感度モードなど一部のモードではISO6400まで上がる。
レンズがらみでもうひとつ注目すべきはマクロ機能。
広角端でレンズ前1センチ、望遠端で1メートルなのだが、多少広角端からズーミングしても10センチぐらいまで寄れるので、マクロはけっこう使いやすい。
●超高倍率機という特性を反映したボディ
FZ70のボディは写真を見るとわかるとおり、しっかりしたグリップがついた一眼レフぽいスタイル。
マイクロフォーサーズのLUMIX Gシリーズに近いデザインといえばいいか。
上面にはシャッターの後ろに、ドライブとフォーカスモードを操作する2つのボタンがある。
高倍率ズームを買う人は基本的に「超望遠」が欲しい人であり、たぶん野鳥やスポーツ、動物、あとはまあとにかく遠くのものをでかく撮りたいわけで、動きものをとらえるには欠かせない連写や、狙った被写体をきちんと撮るためのフォーカスモード用ボタンを独立させて押しやすいところに置いたのはすばらしい。
連写は速い。
フルサイズで最大秒9コマ。秒2コマ・5コマ・9コマ(ただし9コマ時は最大3枚まで)と連写速度を選べるし、AF追従連写も選べる。
起動も高速で、このあたり、FZ70の性格をきちんと生かしている。
親指があたる位置には電子ダイヤルがある。同社のミラーレス一眼と同様、プッシュ機能がついていて、ワンプッシュして回すと露出補正として働くのは快適。
とまあこのように、60倍ズーム機という特性を考えたデザインになっていて素晴らしいのだ。
ただ、この製品はパナソニックのWebサイトだと、「ハイエンド」のジャンルに位置づけられている。
まあ他に該当するジャンルがあるかといわれれば難しいのだが、上位モデル(ズーム倍率は低いものの、全域F2.8というレンズを持つ)「DMC-FZ200」に比べると、アイセンサーを持たないのでEVFは手動切り替え式だし、EVFも約20万ドットとLF1と同等レベルと、カメラとしてのグレードが落ちるのは否めないところだ。
また、FZ200は背面モニタが可動式だが、FZ70は固定。FZ200は鏡胴部にもズームレバーを持っているが、FZ70はシャッターボタン周りだけと、カメラとしての作りにちょっと差があるのだ。
60倍ズームというレンズは魅力的だが、期待しすぎてはいけないってことですな。
撮影機能はWi-Fiがついてない以外は他のLUMIXと同じ。
「おまかせiA+」にしておけばフルオートながら露出補正をかけたりもできるし、明暗差が大きいシーンでは自動的にHDRがかかる。
暗い場所では自動的に手持ち夜景になる。その辺はしっかりしている。
クリエイティブコントロールモードでは15個のデジタルフィルタを選んで使える。
画質的にはさすがに超高倍率だけあって、トップクラスのクオリティというわけにはいかない。
特にISO感度が上がってくるとディテールが荒れたりつぶれたりしてくる。
それでも1台で20ミリ相当の広角から1200ミリ相当の超望遠まで撮れて、マクロもそれなりに撮れるというスーパーなデジカメである。
大きくてかさばりはするし、iA時にもうちょっとシャッタースピードを早めに維持してくれるといいなと思うけれども、超望遠が可能でファインダーをちゃんとのぞいて撮りたい人にはよい。
20ミリ相当の広角端で古民家から。広角ならではの遠近感が楽しい。
外との明暗差が大きいのでHDRをオンにして撮ってみた。20mm相当 1/60秒 F2.8 ISO400
[荻窪圭,ITmedia]

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