みなさん、こんにちは!
ミュージシャン・ポピュラー音楽講師のヨッシー佐藤です。
ポピュラー音楽は「聞く」ことが大事ですよ~とよく言っておりますが、肝心のリスニングについて実際はどうやって聞くのですか~?
とツッコミが入りました。(笑)
というわけで、今回は実際の音源を聞きながら、どういう点に注目して聞いてみるか?
という内容をご紹介します。
今回は僕の好きなアーティストの一人であるジョージ・ベンソン(Geoorge Benson)の有名なバラード曲をご紹介します。
Nothing gonna change my love for you
という曲です。
高校生の時に初めて聞いて、何て美しいメロディーなんだろう!!と感動した思い出と同時に、青春時代の甘い恋を思い出してしまいました。(笑)
はい、僕のプライベートなことは置いといて・・・っと
ジョージ・ベンソンのすごいところは、元々はジャズ・ギタリストですが、ジャズにとらわれず、こうした美しいポピュラー音楽も作れることです。
まずは構成の確認から。
イントロ-A-B-C(サビ)-A-B-C(サビ)-C(転調)-D(ギターソロ)-C(サビ・フェードアウト)
という構成になっています。
まずは、エレピで始まるイントロのキャッチーなフレーズに注目してみましょう。
イントロは数10秒で曲が聞かれるか?聞かれないか?を左右する重要なセクションです。
イントロにも主メロ以外のメロディーがある。
という点に注目してみましょう。
つぎに、Aメロのエレピのバッキングに注目してください。
シンプルな白玉
です。
鍵盤奏者は他に音が鳴っていないと、どうしても不安になって音を埋めてしまいがちです。
僕もよく失敗して、歌の人から注意されます。(笑)
Aセクション半分からベース、ドラムが入ってきます。
これまでほとんど白玉だったエレピが少し動き始めていますね。
Bセクションでは、さらにストリングスが重なってきます。
Cセクション(サビ)では、歌の主メロ以外にストリングスが高音域で裏メロ(カウンターメロディー)を弾いています。
バラード系は特にこうしたストリングスの使い方が重要になってきます。
サビで歌が「Nothin' gonna change my love for you」と歌った後の隙間に、ほんのわずかですがエレピのオブリガードが入っています。
こうしたところに注目してくださいね。
色々な即興演奏ができるということは、こうした入れるべき個所にしっかりタイミングを見計らって入れられるということです。
2番のAセクションでは、これまでの編成にエレキギターがうすく重なってきます。
2番Aセクション後半にはストリングスのラインがカウンターメロディーを弾いています。
「I'll be there for you if you should need me」と歌った後にも、エレピが上手く隙間を埋めていますね。
注目ポイントは転調したサビ後のギターソロセクションです。
カッコいいソロではなく、「歌えるソロ」になっている点です。
音数も多くなく、奇抜なこともしていません。
ですが、めちゃめちゃギターが歌っているんです。(あっ、ちなみに歌っているのも本人です。)
愛が感じられますね。
僕がジョージ・ベンソンが好きな理由は、めちゃめちゃスゴイテクニックをもったギタリストですが、愛があるところなんです。
つまり、
歌えるフレーズを弾けるミュージシャン
だからなんです。
はい、というわけで今回は具体的な音楽の聞き方についてご紹介しました。
みなさんも、美味しいお水を片手に、今宵はぜひ楽しんで聞いてみてくださいね。