朝露に染まって 初夏だというのに朝の空気はまだ冷たい 誰もいないはずのこの早朝の時間帯,公園脇の舗道には犬を連れた老夫婦の姿があった。 空気が冷たいのにもかかわらず,その老夫婦の姿はいつの間にか陽炎のように消えていた。 見上げたらそこに朝露に染まったモミジの葉がキラキラと輝いていた。 ふと,時計に目を落とす・・・ まだ時計の針は朝が始まったばかりの刻を示していた。