1.効果の評価としての身体機能の測定内容および結果

a)筋電図による評価

 歩行運動は,トレッドミルを用いて行った.歩行速度は,日常普通に歩いている速度(自由歩行)とした.筋電図は,表面電極法を用いて測定した.測定した筋は,大腿直筋,内側広筋,外側広筋,大腿二頭筋,前脛骨筋,腓腹筋である。運動時間は,5分間とした.筋電図は,運動に適応した状態と思われる5分目に測定した.


図1 通常靴とDIETAを履いた歩行時のEMG比較


 図1は,通常靴を履いて歩行した時の平均積分筋電図を1とした時,DIETAを履いて歩行した時の平均積分筋電図を通常靴に対する比率で示した.すべての筋肉で,通常靴と比較して約1.2~1.6倍の筋放電量,すなわち筋力発揮がみられた。すべての筋の比率を平均すると1.5倍となった.

 DIETAを履くことにより,日常行われる歩行動作に負荷を加えることになり筋力向上効果が期待できる.



b)エネルギー消費量による評価

歩行運動は,トレッドミルを用いて行った.歩行速度は,日常普通に歩いている速度(自由歩行)とした.運動時間は,30分間とした。測定した生理学的パラメーターは,酸素摂取量(VO2),心拍数(HR),主観的運動強度(RPE)であった。また,酸素摂取量からエネルギー消費量を算出した.


図2 30分間運動中の酸素摂取量の変化


図2は,通常靴とDIETAを履いた時の歩行運動中の酸素摂取量の変化を示した.どちらも,定常状態がみられたことから,有酸素運動であったことがわかる.同一速度にもかかわらず,運動中を通してDIETAを履いて歩行した時のほうが酸素摂取量が大きいことは,エネルギー消費量が大きくなったことを意味している.



図3 30分間の歩行運動で消費されたエネルギー量の比較


図3は,30分間の歩行運動で消費したエネルギーを比較したものである.エネルギー消費量は,DIETAで約135kcalに対し通常靴では115kcalであり,同一速度(運動強度)において1.2倍にエネルギー消費量を高めることができることがわかる.


図4 30分間の歩行運動中の心拍数の変化


図4は,通常靴とDIETAを履いた時の歩行運動中の心拍数の変化を示した.25分目以降,DIETAを履いた時のほうが心拍数は高くなる傾向を示しているが,DIETAを履いたことで特に循環器機能に大きな負担がかかるとはいえない.つまり,通常靴と同様の循環器負担で30分間運動が続けることができるといえる.


図5 30分間の歩行運動中の主観的運動強度の変化


図5は,通常靴とDIETAを履いた時の歩行運動中の主観的運動強度の変化を示した.通常靴では,30分間11の「楽である」という感覚で運動が続けられるのに対し,DIETAでは,13の「ややきつい」という感覚で運動していた.「ややきつい」という感覚は,心拍数が130拍/分といわれるが,実際の心拍数は100拍/分であることから,大きな生理学的負担が身体に加わっているとはいえない.DIETAに慣れることで解決できる問題の範囲と考える.


以上のことから,DIETAを履いて通常の歩行を行うと,筋力発揮が大きくなり,エネルギー消費量も大きくなるが,身体的負担度は,通常靴と変わらないといえる.つまり,DIETAを日常履くことで筋力や筋持久力の向上,エネルギー消費量の増加が期待できる.

ファイティング原田氏のコメント

『いかに楽に効果的に身体を鍛えるかということは大切です。ディエッターは重量を自由に調節でき、手軽に本格的な筋トレができますのでスポーツ関係に限らずどなたでも使えるところがいいですね』

日本ボクシング協会会長




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 ここで述べられているトレーニングとは、おそらくウエイトトレーニングで何Kgぐらいの重量を持った時と同じか?ということだと推測されるが、一般的なウエイトトレーニングと自分の体重を負荷として動作をする歩行動作では、比較できる動作ではなく、現在のデータでも答えは導き出せない、筋肉の使い方は、動作によって異なるので比較はできないが、少なくとも日常生活の基本的動作である歩行運動において、より大きな筋出力が見られ、前回述べたような効果が期待できる。


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 通常靴を履いた時とDIETAを履いた時の、歩行一歩の下肢筋群(膝関節伸展:大腿直筋、内側広筋、外側広筋、膝関節曲筋:大腿ニ頭筋、足関節背屈:足関節底屈)の筋力発揮の違いを、筋電図法を用いて比較した、DIETAを履いた時の歩行時は、通常屈より下肢筋力発揮は1.5倍大きく、DIETAにより筋へ負荷を与えることができた、DIETAを履くことにより推測されるトレーニング効果は、歩行動作一歩ごとに日常よりも大きな筋出力を与えることから、日常生活に必要な筋力の向上と筋の持久力向上が期待される。


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