持久運動(マラソン)の肝グリコーゲン:筋グリコーゲン:脂肪の3要素の燃焼比率を教えてください。


各種競技のエネルギー使用比率
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マラソンのエネルギー比率は筋グリコーゲン75%、脂肪20%、血中グルコース5%です。


上の表は、「ランニングの基礎と実践」オックスフォード大Prof.Newsholme著から引用したものです。
たしかに、いくつかのウェブサイトで、「筋グリコーゲンが枯渇すると、血中グルコースがエネルギー源になる」とか、「筋グリコーゲンがなくなってしまうと脂肪のエネルギー源に・・・」とか、エネルギー源の比率が変わっていくという記述が見受けられますが、間違いです。



ウォーキングとランニングのエネルギー比率
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上図のグラフは、歩行およびランニング時のグリコーゲンと脂肪の消費比率をKcalで表したものです。


このグラフの元のデータは、つぎのようになっています。

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エネルギーの使用比率は、歩くのか、ゆっくり走るのか、スピードを出して走るのか、ランナーの意志で決定づけられます。

筋グリコーゲンが枯渇に近づいたら、脂肪の燃焼比が増加するなどということではありません。


持久走のサプリメントはブドウ糖がベスト
サプリメントの多くは、脳を興奮させるものや、疲労を感じさせないようにして元気を出させたりするものが多く、筋肉のパワーを直接大きくするようにはたらくものはありません。

マラソンレースの前とか、レース中にサプリメントを摂取すると、脳に直接効くので、持久力がつづく感じがします。

持久走中に最も効くサプリメントは、ブドウ糖です。

マラソン中、血中グルコースをどのくらい消費されるかの問題についてですが、私が初めてホノルルマラソンツアーに参加し時に、コーチから参加者全員がブドウ糖タブレット3個ずつもらいました。

マラソンランナーは胃が空っぽにして4~5時間走ります。
マラソン中も、肝臓は脳にブドウ糖を供給するために血糖を維持しています。

その血糖を筋肉が僅かですが、取り込んで燃焼します。

このために、ゴール近くで、もしも血糖が低下すると意識がぼーとします。

その時に飲んでくださいとブドウ糖タブレットをくれたのですが、誰も低血糖になった人はいなかったようです。
マラソンを走ると、2000~2200Kcalほど消費しますが、その5%が血中グルコースですから、25gのブドウ糖タブレット(100Kcal)が最も即効性があります。



アミノ酸ドリンク

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ヴァーム、アミノバイタル、アミノバリューなどには、BCAAアミノ酸が配合されています。

BCAAアミノ酸は筋肉が長時間の運動をすときに、消費されるアミノ酸です。

BCAAアミノ酸ドリンクの脂肪燃焼効果は、つぎのようにして得られます。
筋肉が長時間の運動をすると、筋肉がBCAAアミノ酸を消費します。
脳は、血液中のBCAAアミノ酸が少なくなってくると、筋肉が疲労がすすんだと判断して、筋肉の過剰な動作を止めようとします。
つまり、BCAAアミノ酸は、筋肉が過剰な動作にならないようにするリミッターの働きをしています。

そこで、もう20年以上も前に、アメリカの飲料水メーカーがBCAAを配合したドリンク作って、マラソン大会の参加者に無料で配布し、マラソン終了後のアンケートで、ドリンクを感想を尋ねました。
アンケートの結果は、案に相違して期待はずれなものでした。
多くのランナーが効果が感じられなかったと答えました。

メーカーの間発者たちはがっかりしましたが、1つ特徴的なことを発見しました。
今回はじめてマラソンを走った人たちに絞ると、大部分の人がたいへん効果があったと答えていたのです。

このことからわかることは、BCAAドリンクはマラソンのような疲労の限界まで走る有酸素運動で効果を発揮することです。

ただし、フルマラソンを走っても余力のあるベテランランナーにあまり効果がなく、マラソン初心者のように疲労の限界まで走ると、その効果がはっきりと現れることです。


脂肪燃焼効果
脂肪燃焼効果については、BCAAを飲めば脂肪燃焼率が上がるというものではありません。
ある女性が、私はテニスの練習を2時間までしかできないけど、VAAMを飲んだら2時間半がんばれると言っていましたが、その人がVAAMを飲むと、30分長く運動を続けられるので、その分だけ脂肪の燃焼が多くなるのです。
BCAAは脂肪の燃料率がアップするのではなく、リミッターがはたらかないようにするだけなので、もしも、運動時間が同じだったら脂肪の燃焼量は同じになります。

したがって、腹筋、腕立て、背筋、スクワット、600mダッシュなどは、有酸素運動ではありませんから、BCAAドリンクは効果がないと思います。


次の表は、VAAM、アミノバイタル、パーフェクトプラスなどを飲んで1時間のジョギングをし、脂肪の燃焼効果を調べてことがあります。
激しい運動後に、尿にケトン体が混じりますが、ケトスティック試験紙でテストすると、尿中のケトン体濃度をそくてすることができます。

下図の結果です。パフェクトプラスをぞいては、脂肪の燃焼率が上がるような証拠はみつかりませんでした。
もしも、どれかを飲んで、疲労感が軽減されると感じたら、飲んでも良いと思いますが、疲労感に変化が変わらなかったら、脂肪の燃焼量が増えるものではありませんから、飲んでも意味がありません。


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