ダイエットの第一法則
消費カロリーよりも摂取カロリーが少なければ痩せます。
これがダイエットの第一法則です。ですから、エネルギーをマイナスにさえすれば良いというのがこれまでのダイエット理論でしたが、それだけではうまくいきません。

マイナスにすれば痩せるのですが、エネルギーの貯蔵タンクが溢れるとマイナスにするのが難しくなるのです。それを初めて示したのがサキコ理論です。

ダイエット7

大脳のエネルギーはブドウ糖ですが、大脳にはブドウ糖を貯蔵する場所がありません。
大脳のエネルギーは肝臓に蓄えられていて、1時間に6gの割合で消費します。
肝臓のグリコーゲンは他に全身の細胞が1時間に1.5gの割合で消費します。
2つ合わせると1時間に7.5gで、1日では168gになります。

これに対して、肝臓のタンク容量は100g しかないので、1日に少なくとも2回は食事をしないと、タンクが空っぽになってしまいます。タンクが空にならないように、
早め早めに食べるよう指令を出しているのが私達の食欲です。


食後、食べ物に含まれるブドウ糖は小腸から吸収されて身体に入ってきます。血液中のブドウ糖濃度が高くなると、膵臓がインスリンを分泌します。
肝臓はインスリンを受けると、血液中のブドウ糖をグリコーゲンに変えて肝臓組織の間に埋め込みます。このように、肝臓がブドウ糖をグリコーゲンに変換して貯蔵することを糖代謝といいます。

肝臓は貯蔵スペースがある間は糖代謝を続けられますが、満タンになって貯蔵スペースがなくなると、ブドウ糖が血液中に溢れ出ます。溢れ出たブドウ糖は、行き場がないので体脂肪組織に取り込まれます。


貯蔵された体脂肪は、次のような時に取り出されます。
空腹時に血液中のブドウ糖濃度が低くなると、すい臓からのインスリンの分泌が減少し、代わりにグルカゴンの分泌が増加します。脂肪組織はグルカゴンの作用を受けると、中性脂肪を分解して血液中に放出します。
また、運動をすると、副腎からアドレナリンなどの闘争ホルモンが分泌しますが、闘争ホルモンには血圧、血糖値を上げ、筋肉を俊敏にし、脂肪を溶かしだす作用があります。



ダイエット7

筋肉は溶け出してきた脂肪を燃焼することができます。肝臓も脂肪を燃焼して体温の上昇に使います。
しかし、大脳だけは脂肪を燃焼することができません。もしも、体脂肪に蓄えられているのがブドウ糖であれば問題ないのですが、蓄えられているのが脂肪なので、溶け出してきても大脳のエネルギーとしては使えません。

体内に大量に蓄えられている脂肪は脳のエネルギーではないのです。空腹時には、炭水化物を食べないかぎり、大脳視床下部は空腹信号を出し続けます。

炭水化物は、食べ過ぎると、余ったブトウ糖が脂肪組織に取り込まれ、脂肪に変えられて貯蔵されますが、いったん脂肪に変換されたブトウ糖は、二度と再びブトウ糖に戻ることはできません。

これが、タンクを溢れさせると、空腹感が大きくなる理由です。

ですから、炭水化物は一度に集中的に食べてはいけないのです。一日に3回、こまめに分けて食べる方が良いのです。