私がダイエット7でよく使う機能は、グリコーゲングラフとスターチャートです。


ダイエット7 ダイエット7

私たちが食事をすると血糖値が上がります。血糖値が上がると脳がそれを検知して満腹信号を出し食事をストップさせます。
数時間が経過して、血糖値が下がると、脳が空腹信号を出して、次の食事を催促します。脳はこのようにして、自分のエネルギーを確保しています。これが私たちの食欲です。


私達の身体のほとんどの臓器は脂肪をエネルギー源にして生きていけます。

心臓、呼吸筋、消化器、筋肉などは細胞内部にミトコンドリアを持っていて脂肪を燃やすことが出来ます。

しかし、ただ1つ、脳だけは脂肪をエネルギー源にすることができません。

脳の血管関門は非常に細くなっていて、ブトウ糖しか通過できません。ですから、脳だけは炭水化物の摂取がどうしても必要なのです。


脳は1時間に6gの割合でブトウ糖を消費します。一日では144g消費します。

脳にはブトウ糖を貯蔵する場所がなく、ブトウ糖は肝臓に貯蔵されます。肝臓はブトウ糖を100gまで貯蔵できます。

したがって、人類は一日に2回以上食事しなければなりません。

一日に3回食事をする場合は、1食あたり48gの炭水化物の摂取量で脳のエネルギーが賄えます。

一日3食では、肝臓の貯蔵量の半分以下の摂取量で充分に賄えますが、一日1食の場合はどうでしょうか?

脳が一日に必要とする144gのブトウ糖を1食で摂る場合、肝臓は100gまでしか貯蔵できませんから、余った44gのブトウ糖が糖尿病患者のように血液中に滞留して高血糖状態になります。この血中に滞留したブトウ糖はやがて全身の皮下脂肪に取り込まれて体脂肪になります。


人類は2食制

人類は長い歴史の中で、夜明けと共に起きだして朝食を食べ、日暮れに夕食を食べて寝る生活をしてきました。
そのために、朝夕の2回の食事に適した内蔵構造になっています。
日本人は江戸時代の前までは、朝夕の2回で、昼食は食べませんでした。
犬も猫も野生動物も魚も朝夕の2食制です。


初心者がダイエットをはじめるときは、晩ご飯を抜くことからはじめますが、それが最も簡単な方法だからです。
しかし、晩ご飯を抜くと、昼食から翌日の朝食までの時間があまりにも長すぎるので、僅かな時間ですが、糖新生がおこります。
昼食は抜いてもよいのですが、晩ご飯を抜くと、真夜中に脳のエネルギーが不足し、身体が筋肉を分解してブトウ糖を作り脳に供給します。そのために筋肉が少しですが分解されます。夜もご飯1杯は必ず食べてください。痩せにくくなることはありません。


グリコーゲン

ブトウ糖は化学的に不安定な物質です。血液中の血球や血管壁の蛋白質と結合して傷つけたり、動脈硬化を起こしたりします。飴玉を口の中に含んでいると、ほっぺたにくっつきますが、血中のブトウ糖も同じようなことが起こります。

私たちが炭水化物を食べると、すい臓からインスリンが分泌します。

肝臓はインスリンの助けをかりてブトウ糖を取り込み、グリコーゲンに変換して貯蔵します。グリコーゲンというのは、ブトウ糖100万個くらいが丸められ、安定化した物質です。


グリコーゲングラフ


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グリコーゲングラフは私たちの空腹感を視覚化します。
食事中に含まれる炭水化物の量と、食べてからの経過時間がわかると、肝臓にどの位のグリコーゲンが残っているかがわかります。
上図で、黄色の棒グラフは食事に含まれていた糖質の量、赤いグラフは肝臓のグリコーゲン残量の推移です。
赤いグラフは食事をすると増加し、1時間に7.5gの割合で減少、食事をするとまた増加します。

青いグラフは筋肉のグリコーゲンです。
筋肉のグリコーゲンは普段はいつも満タンになっています。

筋肉のグリコーゲンは運動したときだけ減少します。
筋肉のグリコーゲンは、本来は敵に遭遇したときに一目散に逃げるときのための緊急用のエネルギーなので、運動で消費すると、つぎの食事で身体は最優先で回復します。
筋肉のグリコーゲン回復速度は肝臓の2倍以上も速いので、次の食事の炭水化物を筋肉が真っ先に横取りし、余ったブトウ糖が肝臓に取り込まれます。
運動をするとお腹がすくのは、筋肉が肝臓のグリコーゲンを横取りするせいです。


栄養学的には、有酸素運動の場合、運動で消費したカロリーの1/10の蛋白質と1/2の炭水化物を追加補給します。

無酸素運動のように消費エネルギーの大分部がグリコーゲンである場合は、消費カロリーの1/10の蛋白質と消費カロリーと同じだけの炭水化物の追加補給が必要です。


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炭水化物抜きダイエット

炭水化物抜きのダイエットをすると、血糖値が上がりません。血糖値が上がらないと脳が満腹信号を出ません。

また、血糖が上がらないと、血糖が下がりませんから、空腹信号も出せなくなります。

このため、炭水化物をを抜くと、最初の2日間は猛烈にお腹がすきますが、3日目からは空腹感がまったく感じられなくなります。
空腹感が感じられないので、体重がどんどん減り、本人は意志の力でダイエットを克服したつもりになります。しかし、このとき、身体の中ではたいへんなことが起こります。

脳は人体で最も大切な臓器です。脳のエネルギーが途絶えては致命的ですから、身体は筋肉をアミノ酸に分解して血中に放出します。

肝臓が血中アミノ酸からブドウ糖を作って脳に供給します。このことを糖新生といいます。
絶食や炭水化物抜きダイエットでは、筋肉が1日あたり50~75gずつ崩壊していきます。
このような栄養状態は身体にとっては危機的状態です。もしも、このような栄養状態が長く続くと、からだは、普段の食欲とは違った経路で食欲を起こします。

普段とは違った経路で食欲がはたらくと、脳の思考、判断、記憶の全領域のつたわるので、頭の中がたべもののことでいっぱいになります。

この食欲の最大の特徴は満腹感がはたらかないことです。そのために、腹がはちきれそうになるまで食べます。

満腹感がなくなると、それは過食症の特徴です。