頭痛には、さまざまな原因や誘因があり、そのタイプもそれぞれ、多種多様です。個人の体質や生活習慣なども関係するため、同じタイプの頭痛でも、それぞれに個性があります。
こうしたことから、頭痛の治療には「これで決まり」といった確実なものはありません。ある患者さんに適切な方法が、ほかの人にはかえって悪影響をおよぼすことがあります。自分に合った治療法を気長に見つけていくことが大切です。まず自分の頭痛はどのタイプか、考えられる原因や誘因はどんなものかを把握し、避けられるものは避ける、あるいはよくなるものは続けましょう。
頭痛をねじ伏せようとするより、不快な要素をやわらげる方法を知って実行することが大切です。そして一時はよくなっても、再び悪化したときや症状が変わってきたときにはこれまでの対処法にこだわらず、何度でも見直す柔軟性をもつことも必要です。
頭痛に限らず、痛みは心理的な影響が強くあらわれます。不安は痛みを強くし、痛みは不安を増すという悪循環を作ります。たとえば、脳の病気の心配がぬぐえないなら、気軽に神経内科や脳神経外科の診察を受けてみましょう。
頭痛をよく理解するほど、不要な心配が減り頭痛は軽くなります。心の問題が影響していると考えられる場合は、心療内科の診察を受けるのもひとつの方法です。
それでもすっきりしないことが多いのが、慢性頭痛です。頭痛はある意味で天気と同じです。雨の日もあれば快晴の日もあります。頭痛をこじらせる人には、完壁主義者が多いようにも見受けられます。自分の頭痛を大目に見て、なだめながらつき合っていくようにしたら、だんだんわずらわしくなくなったという患者さんもいます。少しの頭痛も許さないという気持ちで、薬に頼りすぎると、しつこい頭痛を引き起こすことにもつながります。