こんな簡単なゆる糖質オフで、お腹が凹むのか? と思われる方も多いでしょう。実は内臓脂肪は代謝が盛んで「つきやすいが落としやすい」という特徴があります。私がかつてダイエットを成功させたときのデータもあり、皮下脂肪に比べ、内臓脂肪は15日間で大幅に減っていきました。

 

ズボンのベルトで言えば“ひと穴”というところ。

 

また、内臓脂肪はインスリンの糖代謝機能を阻害する悪玉物質を放出しているため、血糖値を上げる原因の一つになっています。医師に高血糖、あるいは糖尿病の診断を受けている方は、ぜひこのゆる糖質オフを試みてください。たった15日でも、血糖値のコントロールが容易になるはずです。

 

モティベーションが上がったところで、ゆる運動を開始。筋肉を引き締め、さらなるお腹やせにつなげましょう。

 

 

 

 

ゆる運動の目的は、以下の3つです。

 

(1)ゆる運動=有酸素運動で内臓脂肪を燃焼し、同時に糖も消費する。
(2)腹筋群とインナーマッスルを鍛えてお腹を凹ませる。
(3)血管内に「NO(一酸化窒素)」を増やし動脈硬化を予防・改善する。

 

(1)有酸素運動とは、軽度から中度の負荷を継続的にかける、ゆるめの運動のこと。酸素を使い、脂肪をエネルギー源として燃やすので、内臓脂肪を確実に減らします。

 

加えて運動で筋肉が活性化すると、グルットフォーというタンパク質が現れ、血液中の糖の消費も盛んになります。糖は体内で余れば内臓脂肪となってお腹にたまりますから、まさに一石二鳥でしょう。

 

有酸素運動には汗ばむ程度のジョギング、ウォーキング、水泳、サイクリング、ヨガなどがあり、週3回1回30分が目安です。

 

 

 

 

(2)お腹を凹ませるには、まず体表近くで腹部を取り巻く腹筋群を引き締めます。同時に体の深部にあるインナーマッスルを鍛え、腹壁を引き締めると内臓が本来あるべきスペースへと引き上げられます。

 

これらを鍛えるエクササイズはいろいろありますが、取り入れやすいのは「ドローイン」。鼻から息を吸ってお腹を膨らませた後、口から息を吐いてお腹をグッと凹ませます。その状態で30秒間浅い呼吸を繰り返してください。

 

要領がつかめたら、仕事や家事の合間に適宜行います。ウォーキングなど有酸素運動と組み合わせればさらに効果倍増! です。

 

 

 

(3)NOとは、血管の一番内側にある血管内皮細胞が分泌するガス状の物質です。NOは血管に張り巡らされた繊維や筋肉、自律神経に働きかけ、血管を拡張したり縮めたりしながら血圧を安定させます。ほかにも血管の柔軟性と弾力性を高めて老化を防ぐ、血管内皮細胞にできた傷を修復する、初期の動脈硬化を改善するなど優れた作用が。

 

運動をすると、筋肉からブラジキニンというタンパク質が放散され、NOの分泌を促します。つまり運動には血管に備わる自然治癒力を高める効果があるということ。生活習慣病の予防・改善に運動がすすめられる理由の一つです。

 

私のメソッドでコロナ禍を元気に乗り切り、スリムボディを取り戻してください。

 

 

 

池谷敏郎『15日間でお腹が凹んでリバウンドなし 名医のお腹やせ』(KADOKAWA)