『孤独のグルメ』 シーズン9 第6話

 

この活気。 いいぞ、いいぞぉ。
 

『はい!いらっしゃいませ!』

 

『あ、どうも。奥へどうぞ!』『ボク、ランチで。』『フライ盛合せで。』

『ランチ、フライ盛りで~す!』『はいよ!』

 

ランチ大人気。 普段遣いの飾り気なさを感じる。

 

で?今日のランチ?

 

カツオのたたきが付いて700円はお値打ち。

 

品数、多し!

 

ん?ニンニク焼肉とガーリック焼肉。 どう違うんだ?!

 

いや、いや。 当たりだぞ!この店。

魚系。 単品モノ。 メンチカツカレー、う~ん。そうきますか。

 

『はいすみません。お待たせしました。ランチご飯半分です。』

  

おぉ!カツオ、良さそう!

 

『ぶわぁっ!』 なに?このセット定食の数!

 

うわぁっ! こっちもだ! う~~ん・・・。

魚系を外しても、選択肢多すぎ。 多すぎて決められん!

 

『はい、ラーメン半カレーです。』 食堂のラーメンっていいんだよな。

 

いかん! ブレブレだ! 定食、定食・・・。

 

『ごちそうさまで~す。』『ありがとうございま~す。』

 

あ~これは悩む。 これは?コッチとコッチかぁ?

 

そうだ!セット! う~ん・・・、無いかぁ~。 あぁ~。

『はい!いらっしゃいませ!』

 

ヤバイ。ランチマラソンの周回遅れになりそうだ・・・。

『あの、すみません。』

 

『はい。お決まりですか。』

『肉とナスの醬油炒めと鶏唐揚げのセットってありますか?』

 

『すみません。そのセット、無いんですよ。』  うっぐっ!

 

『じゃあ、肉とナスの醬油炒め定食と単品の鶏唐って出来ますか?』

 

『ごめんなさい。ランチは定食の単品やってないんです。』 あらぁ~。

 

『でも、今だったら大丈夫ですよ。』

 

『あぁ。すみません。ありがとうございます。』 

やっと、決まった・・・。スタート地点に立てた。

 

『はい!』『すみません。』

『は~い!』『ピリ辛ポーク定食にアジフライ1枚。』

 

 

巧い! なるほど。 技ありだ。 この店を遣いこんでるなぁ。

  

へぇ~。 ざるそば、あるんだ。

 

冷やし中華に、半マグロ浸け丼。

ガードの隙間を衝いて脇腹をエグるようなコンビネーションパンチ。

 

『後ろ失礼します。お待たせしました。フライ盛合せで~す。』

おぉ~。 ボリューミー!

    

『はい。お待たせしました。肉ナスで~す。』

『はい、唐揚げすぐお持ちします。』

  

はぁ・・・。 『いただきます。』

 

う~ん。 予想以上の肉量。

  

美味しい! あぁ~。 これだぁ! この味付け!

  

うん、う~ん。 ナス。 美味い。 噛むほどに旨味が浸み出てくるなぁ。

 

醬油炒め。 正に絶妙。 白いメシと一緒になると、う~ん。いやはや。

 

ハッタリなし。 小賢しさなし。 これぞ真っ当。真っ当なメシの有り様。

    

うん・・・。 こうこう。 こうでなくっちゃ。

   

身体がこういう定食を渇望していた!

  

ここで唐揚げ。 揚げたて。

 

やっぱり。 揚げ物は元気の基だ。

  

唐揚げ専門店もいいが、

 

定食屋の唐揚げも負けちゃいない。

  

懐かしさを武器に、俺の味覚を虜にする。

 

マカロニ。

 

実は、幼稚園以来ずっと大好き。