『孤独のグルメ』 シーズン9 第1話

 

 

(あぁ~・・・。)                            

 

『ごちそうさまでしたぁ。』          

 

いやぁ、久し振り。 豚とタマネギのスペシャル焼き。

 

旨かったぁ~。

  

『あ、あ。』 『すみません。』       

 

『お待ちどうさま。 はい、ジャンボランチです。』

 

『はい、スペシャルです。 ジャンボランチ、味噌汁です。』

『ありがとうございます。』         

 

うん! ジャンボもいい。 知ってる。

 

『ごちそうさまでした。』『ありがとうございまぁす。』

『お会計、お願いします。』『はい。ちょっと待って頂けますか。』『はい。』

 

『どうも、ありがとうございます。』『ありがとうございまぁす。』

 

学生たちが集う小さなキッチン。

前、来た時とぜんぜん変わってない。

 

遠くにある好きな店が変わらず続いてると本当にうれしい。

 

あっ!! いかん!満腹でボーッとしてた! 遅れちまう!

 

ええと、駅は? あっちか?! いや、こっちか?!

 

 

神奈川県川崎市宮前平

 

東急電鉄 宮前平駅北口

 

本日ラストは宮前平。 降りるの初めて。

それにしても、滝山の奴。 このご時勢に人に仕事を振るほど

忙しいって・・・。 大したもんだよ。

 

いや。 アイツのことだ。 もしかして、何かウラがある。

ふっ。 勘繰りすぎか・・・。

 

女性の声 『井之頭さんですか?』                         

『あ、滝山の紹介でお伺いしました。』                 

 

『わざわざ来て頂いてすみません。』

 

『急に仕事量が増えてまして。』

 

『あ~、配送関係の皆さん大変ですよねぇ。』

 

『新しい彼氏っすかぁ?』  『ちょっと、やめなさいよ。』

 

『滝山さんの言ってた通りだわ。』                   

        『え?滝山が何か?』    『とりあえず、アチラで。』       

 

『・・・・・。』            アイツ、何言いやがった?!

 

『それぞれ人気の順に並べてはありますが、どの商品も

入荷にお時間のかかるものではありません。』

 

『井之頭さん。この2つで迷ってるんですけど、どう思われます?』

 

『はぁ。こちらは王道タイプで間違いはないかと。

こちらも人気があってお勧めではあります。』

 

『うぅ~ん・・・。』       『私はコッチだなぁ。』

 

『アンタに訊いてないぃ。』 『あぁ。そうっすか。失礼しました。』

 

『村井さんのお好みで決められるのが宜しいかと。』

 

『うん。』    『決めました。コッチにします。』       

 

『コッチのほうがカワイイし、喜んでくれると思います。』

 

『あ、贈り物ですか。』 

『ええ、中一の娘の誕生日プレゼントにと思って。

オシャレが大好きな娘なんです。』

 

          『はぁ~・・・。素敵ですねぇ。』

          『えっ?!』

 

          五郎 『もの凄く素敵です。』                                                                       

        『・・・!!』    『ソレって、女としてってコトですか?』

 

         ! なにがどうしてそーなるの? 『もしかして・・・。』

 

  『口説いてます?』                『・・・・・。』

 

        ♡            なに? この展開??       

 

さあ、もう退散しよう・・・。

『滝山さんから、井之頭さん独身だって聞いてたから。』 『え!』

 

『私も独身なの。 バツ1だけど。 つまり、お互いフリーってことね。』

 

     『うふふっ。 ♡』           滝山のヤロウ・・・。

 

何か匂わせやがったなぁ!

 

『美咲さん。脈ないって。』『うん?』『めちゃくちゃ困ってるじゃん。』『はぁ?』

 

『そんなコトないわよねぇ。』『はぁ・・・。』『ま、その件は追々って事で。』

 

      『うふっ。♡』  『え、追々?!』       オイオイ・・・。

 

はぁ・・・。チーン

  

           なんか変な汗かいた。

 

           ? この腹騒ぎは ?  (夕方5時か) 道理で・・・。

 

腹が減るわけだ。

  

                                                         店を探そう。