参加者一覧



生まれるのは
その一瞬
永遠のような錯覚が現実に起きて現れる

大事にしているあの人から貰ったネックレス
いつも使っている仕事用のボールペン
友達と笑いながら話す声

自分が必要とした瞬間
それは確かに命を持つ

さよならと同時に海に捨てたあの人からの指輪
放置したインク切れの万年筆
感情も何も無い棒読みの台詞

意味も無いと感じた瞬間
それは哀しくも命を消す

貴方の言葉はどうですか
貴方の側にある日常の物は?

貴方自身は確かに生きていますか

自分が意味のある存在だと思い
自分をそんな存在だと認めてくれる人が1人でも居ますか

もし誰も居ないと言うのなら
もしそう思えないと言うのなら
私が生きた声で言いましょう
生きた言葉で綴りましょう

貴方は生きている
そして
そうと言う私もきっと生きている

命は全ての物に与えられた可能性
生まれるも消えるも自由なモノだと

生まれるのは
その永遠
瞬間のような錯覚が現実に起きるから在る



参加者一覧





ノックして、
ノブに手を掛けて、
開けた先には僕が居た。

気付けば後ろにも同じような、ソイツが在って。

無性に苛々して、
(多分僕は怯えてた)
力任せに蹴破った。
(気持ち的には。実際は勢い良く開けただけ)

見れば、此処にも僕が。

嗚呼、僕を僕と見做している僕が1人。
僕が僕だと思った僕が2人。
つまりドッペルゲンガー?
嗚呼、僕は死んでしまうのかな?

後ろに居た筈の僕が揺れる。
ゆらり ゆら ゆらゆらり。
何だ、僕の後ろの僕は水鏡に映った僕だ。

何だか安心して、
(僕は酷く小心者だから)
水鏡をそっと撫でた。
(水は弾けて、僕を壊した)

それなら最初に見た僕も同じ?
鏡に映った紛い物?
それでも僕なら本当なのだろうけれど。

前に向き直って見つめる。
手を振ってみる。
思わず一歩後ろに引いた。
この僕は僕じゃない。
鏡じゃない。
だけど、僕だから、僕を飲み込もうと。

慌てて閉めて、
(でも間に合わない)
記憶から消した。
(消されたのは僕。消し去ったのも僕)

黒い腕に引かれ、
黒い影に抱かれ、
その後は覚えていない。
これすら確かなモノなのか酷く曖昧で怪しい。

僕はもう、目の前のソイツの存在すら見ていない。
無い物のように扱って。
今のままで構わないと、ただ、思った。
怯える僕は果てしない深い底へ。
自分の体を抱き締めて目を閉じた。

ソイツの向こうにはきっと僕が居るのに。
前を見据えて、歩こうとしている僕がきっと。
ソレを見たくないのは、
ただ現状を変えるのが怖いからだ。
今の僕は変化を恐れている。



ドアはそこかしこに。
僕には1つも見えていない。
それはただの見ないフリ。
どうしたって向こうから開けてくれる訳もない。
裏切ったの?
裏切ったの?
裏切ったんでしょ?

アレも嘘。
これもウソ。

嗚呼、何て酷い人なんだ。

友達じゃない。
笑って、騒いで、抱き締めてくれたりして。
親友になりそうだったよね、親友みたいだったよね。
それはまるで戯れ事のような。

笑って(嘲って)
騒いで(冷たい視線で)
抱き締めてくれて(単純な奴だって)
親友どころか友達の定義すら掠りもしていなかったって事?

何も言えなかったの。
何も言えなかったの。
口に出す事を怖がってたから。

言葉が突き刺さる。
一時の感情に負けそうになって唇を噛んだ。
音にならない声は嗚咽となって、か細く漏れる。

君は誰だっけ?
さっきまで友達だった人?
名前を呼んでも全然心が落ち着かない。
感情の無い音が途切れて、脳をショートさせた。

裏切ったの?
裏切ったの。
そう、それは間違いなく。

僕がいけないの。
僕が裏切ったの。
きっと君の期待に応えてくれない人間に成り下がったから、君は呆れて。
だから、裏切ったのは僕。
裏切られたのは君。

僕はそんな人間じゃない。
綺麗でも無ければ、アンドロイドのような完璧さも持ち合わせていない。

ねぇ、最後に訊いてもいいかな?
君は僕に何を夢見ていたの?
それは正に、操り人形のような?

裏切ったの?
裏切ったの?
裏切ったんでしょ?この僕が。