いま韓国映画界で最も注目を集めている作品のひとつが、
女優 ハン・ソヒ 主演の『プロジェクトY(Project Y)』です。
この映画は、これまでの華やかな犯罪ドラマとはまったく違う雰囲気を持ち、
女性たちの「生き抜く力」をテーマにした新しいタイプのノワール作品です。
物語 ― 二人の女性が選ぶ現実と希望
主人公は、ミソン(ハン・ソヒ) と ドギョン(チョン・ジョンソ)。
社会の片隅で生きる二人は、偶然にも隠された大金と金塊を見つけてしまいます。
そこから、彼女たちの人生は大きく動き始めます。
貧しさや不安の中で「どう生きるか」を選ばなければならない彼女たちは、
単なる犯罪者ではなく、自分の人生を取り戻そうとする人間として描かれています。
監督の イ・ファン は「リアルで少しパンクな女性ノワールを撮りたかった」と語っています。
その言葉通り、映画全体がリアリズムと感情の熱で満たされています。
ハン・ソヒの新しい挑戦
これまで多くの作品で洗練されたイメージを見せてきたハン・ソヒ。
しかし本作では、完璧さを脱ぎ捨てた「素の女性」を演じています。
昼は花屋で働き、夜は別の顔を持つミソン。
彼女は迷い、悩み、時に壊れながらも生き続けます。
ハン・ソヒはインタビューでこう語りました。
「このキャラクターは強くも弱くもある、そんな矛盾が好きでした。」
その言葉の通り、彼女の演技には繊細さと力強さが同時に存在しています。
共演者とキャストの魅力
ミソンの相棒ドギョンを演じるのは、個性派女優 チョン・ジョンソ。
二人の関係は友情とも依存とも言えない複雑な絆で結ばれています。
また、キム・シンロク、チョン・ヨンジュ、キム・ソンチョル、イ・ジェギュン など、
演技派俳優たちが脇を固め、物語に深みを加えています。
映画祭での高い評価
『プロジェクトY』は 2025年9月10日 に トロント国際映画祭(TIFF) でワールドプレミア上映され、
9月18日 には 釜山国際映画祭(BIFF) にも正式出品されました。
どちらの映画祭でもチケットはすぐに完売し、
観客からは「韓国映画における女性ノワールの新しい地平を開いた」と高く評価されました。
ただし、韓国での正式公開日はまだ未定 となっています。
静かで強い余韻
この映画には派手なアクションも派手な演出もありません。
代わりにあるのは、二人の女性が自分の選択と向き合う姿です。
静かで、時に痛みを伴うその物語は、観る人の心に静かに残ります。
『プロジェクトY』は、単なる犯罪映画ではなく、
女性の現実と生き方を描いた、深くて繊細な人間ドラマです。
最近、アジアのエンタメや映画を紹介するメディア 69tv(https://69intv.com) が
この作品を「韓国映画の新しい感情を見せた一作」と紹介していました。
その言葉の通り、この映画は静かな革命のような作品です。



