うちの旦那さんはアスペルガー症候群では?・・・と気が付いたのは数年前。

確か新聞の記事だったような?

結婚前から「少し変わってるな」とは思っていたけれど、

それは彼の成育歴のせいだから仕方ないと思っていた。

少なくとも彼の実家に比べれば「普通」の家に育った自分が、

少しずつ「常識」を教えていけば・・・

「普通」の「愛情表現」を教えていけば・・・

何とかなると思っていた。


結婚当初は、違う家庭で育った者同士、衝突するのは当たり前だと思って譲歩(というか我慢)していたが、

3年後、良性だが生活に不都合がある為、腫瘍を切開するのに私が2泊3日入院した時の事。

着替えなどは紙袋にまとめてあったので、頼んだら彼はそれを持って来てくれ、

汚れ物は持って帰ってくれた。

術後、一応出血しやすいので気を付けて・・・と注意されたので、

そろ~りそろ~り牛歩のように進んでやっと帰宅し、愕然。

洗濯は「しないでいいよ」と言っていたから、

紙袋や汚れ物がそのままだったのは構わないのだが、

台所は汚れた食器や弁当のごみが2泊3日分そのまま。

床は読み散らかした雑誌や新聞がそのまま。

脱いだ物もそのままで、狭いリビングは足の踏み場もないほどに散らかっていたのだ。

彼は片付けが苦手で、自然と私が片づけ担当になっていたので、

私の不在中そうなることは当然なのかもしれない。

しかし命に係わる病気ではないが、体を切開して退院して来る妻に、

少しでも負担をかけないように片づけるとか、

なるべく散らかさないようしたとか、そういう気遣いが全く感じられない散らかり様だったのだ。

この時私は初めて寂しさを感じた。

「入院して手術したのはあなたの勝手だから。

俺は会社に行かなくちゃならないんだから、いつも通りにしていただけだよ」という彼の声が聴こえたような気がした。

そういえば結婚直後も、夕食に初めて揚げ物をした時、

エビのしっぽに残っていた水分が跳ねたのか、

酷い火傷をしたことがあった。

彼はいつものように隣の部屋でテレビを観ていたのだが、

私が大声で「熱い!!!」と叫んでも、

テレビから目を動かすことも、

「どうしたの!?」と声をかけることも無かった。

仕方なく彼の前にある戸棚から救急箱を出し、

塗り薬を探したが、火傷はひどく、みるみる水ぶくれができてしまった。

「痛~い」と目の前で連発してやっと彼は「どうしたの?」と言ったが、視線の先はテレビのまま。

生憎薬が見つからず、自分で薬局に行くにも(土曜の夕方だったので医者に行く選択肢は無し)自転車を漕いでいくのは手が痛くて無理だと判断し、

「お願い!薬局で薬とガーゼ買ってきて!」と頼んだら、

「え?俺が?」と信じられない返事。

その後もテレビが観たいのか、いつまでもモタモタしているので、仕舞いには痛さもあって、

「早く行って来てよ!」と、初めて彼に大声をあげてしまった。

思えばこの時既に

「ちょっと思いやりにかけるんじゃないかしら?」と感じていたのだった。

その後子供が出来、目の前で子供が泣いていても抱き上げることはおろか、

「どうしたの~○○くん」と顔を覗き込むこともせず、ぼーっとテレビを観続けていて、

「この人はどこか神経が1本足りないのではないか?」と、真剣に悩んだ。

元々私は我慢強い方なので、

「私が期待し過ぎ?」と自分を反省したり、

思い切って彼に

「そういう時は普通、こういう行動を取るもんじゃない?」と問い質してみるのだが、

その度私には到底思いつかないような持論を展開され、最終的にいつも

「だから俺が正しく、貴方が甘えている」という結論に着地させられてしまうのだった。

友達や実家の家族に愚痴っても、

「どこの旦那さんもみんなそんなものよ」

「◯大出てるから頭が良すぎて少し変わってるのも仕方ないんじゃない?」などと茶化され、

自分の方が過敏過ぎて、おかしいのかと思うようになっていった。

(実際彼に「働かないで暇だからそんな考えになるんでしょ。働くか、精神科行って診て貰えば」と屈辱的な暴言を吐かれた事もある。)

今考えると、よく鬱にならなかったものだ。

その後転勤や東日本大震災や単身赴任などもあり、それに伴う紆余曲折も沢山あったが、

ある日目に飛び込んできた新聞の活字に、「これだ!」と膝をうった。

カサンドラ症候群・・・

まるで私のことではないか!

そして、まるで思いもよらなかったのだが、アスペルガー症候群の特徴というものがことごとく彼に当てはまり、

「うちの旦那さんもアスペルガー」であることを確信したのだ。


*アスペルガーの特徴

高学歴な人も多い・・・日本最高学府→社費留学で米国の某エリートビジネススクールへ

語学に秀でている・・・英語は勿論、駐在を機に他の言語もマスター

身体的特徴・・・

   手先が恐ろしく不器用 

   人とスピードを合わせて歩けない 

 走るフォームが特徴的

    運動神経ゼロ(スキーだけは人並み)

その他・・・

    人の気持ちが理解できない 

    思ったことを相手への気遣いなくハッ      

 キリ言ってしまう

    相手の言葉をそのまま受け取り、社交   

    辞令や建前というものを理解できない

    突発的事象に対処するのが苦手で、決           

    まった行動に固執する

  表情に乏しい 

     神経質かと思いきや整理整頓は苦手

                                               

他にも色々あったが、視界がパーっと明るくなったような気がした。

不思議な事に、「彼はアスペルガーかもしれない」というショックより、

「私の考えや感じ方は間違いではなかったんだ」という安堵感の方が数倍勝った。

しかし、だからと言って、事態が好転するわけではない。

彼の意固地さは、年齢的なものもあるのか最近ひどくなる一方だ。

食い下がると、

「もう50にもなって、人間は生き方変えられないし、俺は変えるつもりもない」と取り付く島もない。

夫婦二人だけなら、私が我慢するなり上手く立ち回れば良いのだろうが(私だけが「寂しい」と感じる問題は残るが)、

うちにはまだ思春期に差しかかろうという子供がいるので、

この子への影響を考えると、悩みは尽きないのである。