HELL FIRE
Frollo
(私は全能の神に懺悔します)
(清らかなる聖母マリア様)
(聖なる大天使ミカエル)
(高徳なる使徒、全ての聖人たちよ)
清らかなるマリア様
私が正当な自尊心のある
高潔な男だとご存知でしょう
清らかなるマリア様
私が、品のない、低俗で、軟弱で、みだらな民衆よりも
純潔だとご存知でしょう
(私は罪を犯してしまった)
お教えくださいマリア様
踊る彼女を見ると なぜ
彼女の燃える瞳は なぜ
私の魂を和らかにし 焦がすのでしょう
(思い浮かべると・・・)
彼女を感じ 彼女を見ると
あの太陽を浴びた濡れ羽色の髪が
焼けるような気持ちを 静められなくするのです
(彼女のちょっとした言葉が、一挙一動が)
まるで炎
地獄の炎のようです
この炎が私の肌を焼くのです
この欲望が私に罪を犯させたのでございます
私に非はない
(責任は私にあります)
神を冒涜などしていない
(これは神に対する冒涜です)
この激情をもたらしたジプシー女は魔女だ
(私は耐え難い罪を犯してしまったのです)
私は悪くない
(悪いのは私です)
神の思し召しならば
(私が悪いのでございます)
神はあの悪魔を私より強くお作りになったのだ
マリア様、お守り下さい
あの妖婦のような彼女のまじないをお許しになってはなりません
私の身も心も深く焼き付ける彼女の炎をお許しになってはなりません
エスメラルダを打ち砕いてください
そしてあの地獄のような炎を味わわして
そうしていただけないのならば 彼女を私のものに
私だけのものにすることをお許しください
地獄の炎
黒闇の炎
ジプシー 今度はお前の番だ
私か、薪を選ぶといい(※1)
私のものになるか
さもなくば焼いてやる
(神のお慈悲を)
神のお慈悲を彼女に
(神のご加護を)
神のご加護を私に
(神の救済を)
私のものになるのが良いか
焼け死ぬのが良いか
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※1 pyre
火葬用の薪 という意味があるそうです。
ヴィランズの中でもフロローはかなり人間らしく苦悩しているように感じます。
罪の意識と自分の欲望に苛まれています。
自分は悪くないと言い聞かせ、罪悪感の炎に身を包まれますがその炎は暖炉の中へと吸い込まれます。言うまでもないですが、ここのシーンでフロローは罪悪感を捨てて、エスメラルダを手に入らなければ殺すという完全に悪になってしまうのです。様々なディズニーヴィランズいますがこんな風に悩むヴィランズは珍しい。そういう人間らしいところが好き。