夜勤から帰ってきて一寝入り。

遠くから聞こえる雷の音で目が覚めた。


渡米して、大学サッカーにチャレンジしている息子が、スタメンを落とされ苦戦している。そんな状況をホームページで見ながら眠りに落ちた。

胸の奥が俄かにざわついた目覚めだったのは、それが理由だったのか。


私は息子の部屋で珈琲を飲んだ。

息子の渡米後、時々私は少しの時間を彼の部屋で過ごす。

息子がいると、「お母さん、またきたのー?入っててこないでよー」と決まって文句を言われたが、今は鬼の居ぬ間の洗濯だ。


息子がいない息子の部屋は、今の私のお気に入りの場所で、仕事のことを振り返ったり、家族のことを考えたり。彼の部屋での静かな時間は、よい記憶と繋がりとても優しい気持ちに溢れる。


お調子者で、つまづきも失敗も未だに多い我が子だが、一緒に通り過ぎてきたその思い出は、今の私を癒してくれる大切なツールの一つだ。


よい記憶の中にあると、がっくり落ち込む介護を拒否された嫌な思いさえも、『まぁ、こんなこともあるか』とラフな気持ちにさせてくれたりするから不思議だ。



珈琲を飲み終え、庭に出た。雷鳴は遠のき、しとしとと雨が降りだしていた。

まだ九月の頭なのに少し冷たい雨だ。

私は葉を濡らして優しいグリーンのアイビーを玄関に飾った。

アイビーはいい気を呼び寄せ、活気をもたらすと言われている。

自分のためにも仲間のためにも頑張っているあなたへ届くように。