ゴン様だ。


昨日も書いたが、オレは保健所上がりだ。

保健所には色んな仲間がいたが、俺はダントツ可愛かった。

ある日、少し太めのオッサンがやって来て、家に来ないかと誘われた。

「いいもの食わせてくれる?」と聞いたら、「もちろん」と言うので、

随いていくことにした。


少し太めのオッサンの家には、先住のシーズー犬がいた。

「今日からお前のアニキだぞ」と言われた。

でも、俺は時々ヤツのご飯を盗んだ。ドーンと突き飛ばしてな。

優しいアニキは何も言わなかった。


しばらくした頃、今のオヤジとオフクロとアネキがやって来た。

オフクロが、「おばちゃんちに行かない?」と訊ねた。

「いいもの食わせてくれる?」と聞いたら、「もちろん」と言うので、

随いていくことにした。


家にやってきて、俺は俺なりに気を遣っていたつもりだ。

なのに、家のヤツらは、「最初から態度でかかった」とぬかしている。

そんなわけねーっての。

そして、この春、この家で丸5年を向かえた。




俺はゴン、推定8才の犬(シーズー)らしい。

5年前の冬、道をぶらぶら歩いていたら、保健所に保護された。

保健所はいいトコだったが、あと1日しかいられないと言われ、どうしたものかと思っていたら、

俺を家に招いてくれた人がいた。

それから3か月後、今の家に落ち着いた。


今の家は、オヤジとオフクロ、それからアニキがいる。

アネキは去年、いい年して結婚して、東京に行った。

おかげでオヤジとオフクロの監視がさらに厳しくなり、やたらと猫なで声で話しかけられる。

まるで俺が犬みたいな言い方をする。
俺は犬じゃないぞ、俺様だ。

そして、俺は可愛い。とにかく俺が一番だ。