子どもの頃
生きるために絵を描いていた
死なないために
誰にも言えないことを
絵にしていた
暗く
血塗られたような色は
わたしの血を表していた
キャンバスの中で小学校が燃えていた
キャンバスの中で
兵士が倒れていた
チューリップが体を丸めて
もがいていた
黒い絵の具は
いつも一番最初に塗られた
それらは
わたしの心
傷ついたわたしの心
なぜ
わたしは恥じたのか
自分を犠牲にしてまで
守った
痛みに耐えてまで
庇った弱い命
それなのに
なぜ
自分のあり方を
誇らなかったか
自分の尊厳や
自尊心の損傷を
賭けてまで
人を愛した
潔白な
子ども心を
なぜ
誇らなかったか
封印された
心の傷
誰も
探さなかった
わたしの心
誰も
抱きしめて
なだめなかった
わたしの心
今
確かな線で
描きなおそう
黄色や
白で
花を描こう
青い空には
鳥や蝶を描こう
死なないために絵を描いていた子どもは
死ななかったことを
証しするために
再び絵を描く
あの日
幼い心に
確かにあり
優しく作用した
愛を
キャンバスから
放つため
