先日のこと。上海のAさん(知らない人)から部門内向けにメールが。

「明日、新しい社食のベンダーが試食会を開催します。新ベンダー選定委員である自分は出席の予定でしたが、都合により出席できないので、代わりにBさんが出席して、みなさんにフィードバックします」

以前の別のメールで、上海オフィスの昼食ベンダーを変更するというのは聞いていました。こんなメールが出ると言うことは、それなりに現地メンバーの関心は高いんでしょうね。

ちなみに、この手の話は自分の知る限りで3回目。確か2007年に自分が上海に赴任する直前に1回、駐在中の2009年(2010年かも)に1回、そして今回(2012年)。結構頻繁ですよね。あまり深く考えずに、「ああ、またか」ぐらいの感じだったのですが、その後日に届いたBさんからの試食レポートを読みながら、自分が以前上海で働いていた頃のベンダー変更の時の事などを考えていました。

以前も、社食のベンダーを代えた直後は味の評価も高かったのですが、だんだんクオリティが落ちてきて、もう我慢ならない的な意見が持ち上がって「検討委員会」が立ち上げられ、、、っていつもこのパターンだなと。特に末期の方になると、怪しい張り紙とかが出るんです。たとえば、自分も「ここのサラダに使っている野菜は、○○省△△市で取れたものらしい。この市では今年害虫被害がひどいのに、ここで出されているものは農薬まみれに違いない。社食のサラダは決して食べてはいけない」的な感じのを見たことがあります。

・・・ま、中国だから張り紙に書いてあることもあながち間違いではないのかなと(笑)

それはさておき、どうしてこのパターンになるのかという理由を考えていたら、ある結論にたどり着きました。

実は利用する側のモラルにも原因があるんじゃないかと。

確か、社食のところには、「メイン(肉、魚)を1品、副菜(野菜)を2品」みたいな張り紙が出ていたのですが、従業員はガン無視。指定された品数に関係なく、これでもかというぐらい盛りつけさせます。若い人が多くて食欲も旺盛なのでと思うのですが、実際にはその中から「食べられるもの」だけを食べて、大量に残します。そんなに残すなら盛らなきゃ良いのにと思うのですが、話を聞くと「うまいかどうかは食べてみないと分からないから」てな事を言われます。

盛りつけられたものをきれいに残さず食べなさいと教育を受けている日本人から見るとかなり異様な光景です。

そうすると、あとは悪循環じゃないかと思うんですよね。従業員は大量に盛りつけさせるくせに大量に残す。その分ベンダーのの食材調達コストが大きくなるが、限られた予算なので結局食材の質にしわ寄せが行き、味が相対的に落ちる。そうすると、何が能吃(食べられる)なのか分からないので、保険の意味でさらに盛りが増える、以下繰り返しで、最終的にベンダーが音を上げるか、従業員が不味さに耐えきれなくなって、いずれにしてもベンダー入れ替えの検討が始まると。

ベンダーがコロコロ変わる(5年間で3回目)のはベンダーの手抜きによるもんだと結論づけるのは簡単なんですけど、利用する側が根本的なところに気づいていなくて、同じようなことを何回も繰り返しているのを見て、ちょっと「痛いな」と思ってしまいました。

ちなみに、この内容をTwitterでつぶやいたところ、「納得した」という意見もいただきましたし、もう少し経営的な視点で、コスト圧縮がインセンティブになっている限り、このようなサイクルになるのは仕方ないというご意見もあったり、結構反応を見ていておもしろかったので、ブログの記事にさせてもらいました。

いずれにしても、自分が次に行く頃には、もう少し旨いものを食わせて欲しいです。

・・・何せ、高科の真ん中で他に選択肢がないんですから(笑)