なぜ、背中だけなのか。
「お腹を引っ込めたいのに、なぜ背中を触るんですか?」
初めて私の「手」に触れるお客様は、不思議そうな顔をされる。
お腹が気になるなら、お腹を揉む。 足がむくむなら、足を流す。 それが世の中のエステの「常識」かもしれない。
けれど、私の「デトリム」において、その常識は通用しない。
なぜなら、あなたの肉体の不調、そのすべての答えは
「背中」にあるからだ。
背中は、あなたの人生を支えてきた設計図。 丸まった背中には、抱えきれなかった責任が。
固く閉ざした肩甲骨には、飲み込んできた言葉が。
冷え切った腰には、知らずに溜め込んだ孤独が、澱(よど)みとなって沈殿している。
その設計図が狂ったまま、表面のお腹をいくらこすっても、
肉体は真の再生を始めない。
音が狂ったピアノの鍵盤をいくら叩いても、不協和音が響くだけなのと同じだ。
私は、あなたの肉体という楽器を、背中から調律していく。
背中の澱みを一点一点、丁寧に、そして深く掘り起こしていくと、 せき止められていた運命の川が、音を立てて流れ始める。
その時、不思議なことが起きる。
触れてもいないお腹が凹み、
重かった足が軽くなり、
くすんでいた顔色が内側から発光し始める。
それは、枝葉をいじるのではなく、根幹を整えたからに他ならない。
私は、あなたの言葉の「上っ面」に耳を貸すことはない。
あなたの背中が語る、沈黙の声だけを聴く。
もし、あなたが自分の体の可能性を、まだ信じきれていないのなら。 私の手に、その背中を預けてみてほしい。
答えは、あなたが思っているよりもずっと、深い場所にある。
―― 答えは、肌の下にある。