悲願のコラボレーション -ビアライゼ98 | 丁稚烏龍帳

丁稚烏龍帳

today,detch stood live on the earth,too…


丁稚飲酒帳-桃色も涼やかに  夏到来ですなぁ、暑い暑い。日差しがじりじりするような今日は、お休みを取りましてやってまいりましたよ、新橋へ。普段ネオンの明かりでしか見たことのない烏森口を日中抜けると、ちょっと新鮮。
 サラリーマンの皆さん、スーツ片手に汗だくになられてます、ご苦労様です。あたしもワイシャツ姿ではありますがね。桜田公園には、かわいらしい桃色のお花が咲いていました。昼間の新橋散歩も面白いですね。

 さて、時刻はお昼の11時半、本日は新橋まで一杯ひっかけに来たわけではございません。探してませんが、さすがに飲み屋パラダイス新橋とはいえ、午前中から開いてるお店も少ないでしょう。いや、やってていただければ嬉しいには違いありませんが…、反省期間中だし(^^;。



丁稚飲酒帳-壁にビアジョッキ  本日の目的地は…新橋駅前SL広場を抜けて、ヤマダ電機脇の路地を西新橋方面に歩くこと三分ほど。ふと上を見上げると、ビアジョッキを模したであろう看板が、本日はこちらビアライゼ98にやってきました~。

 やっぱり飲むんじゃないのと言われそうですが、いえいえ違うのです。確かにこちらは、泡に楊枝が立つという、職人的ビールサーブで有名なお店でございますが、今日の目的はあくまでもお昼ご飯なのです!…って、言い訳がましいかしら(笑)。

 

 以前は丁稚飲酒帳-ビアライゼ 芝大門方面、新橋五丁目にあったこちらのお店、当時ビール好きの友人たちと何度か足を運んでおりまして、その時に惚れ込んだメニューがあるのです。ビールも美味しいんですが、こちらはお料理もビールに引けをとらない美味しさなのです。

 その中でも看板と言えるのが、メンチカツです。このメンチカツと言ったら…、初めてビールのおつまみにいただいた時に思いましたもん、ああ、これをご飯と合わせられたら…と。でも、この夜の雰囲気でお米頼めないしね、と泪を飲むうち、いつしか足も遠のいて…。ところがこの春、ある雑誌の都内ランチ特集を眺めていると、なんと新橋編のトップに出てるじゃないですか、ビアライゼ。お店を移転されて、ランチ営業をされているとのこと(不勉強だったのですが、以前の店舗当時からランチはされていたそうです)。

 これは行くしかないでしょうと思いつつ、 いかんせん勤め先が千葉県中部でございまして、出張もないとなるとお昼ごはんを新橋に食べに来るなんて、夢のまた夢なものですからね(土曜はランチ営業がないのです~)。本日、夏休みを利用して、意を決してお店にお邪魔した次第です。

 あの日から夢に見た、数年来の悲願が今日ついに叶うのです。



丁稚飲酒帳-バイキング  さて、こんにちはと押し戸を開けると、おお店内の広いこと。左手にビールサーバを前に飲めるカウンターが五席ほど。残るスペースには、重厚な造りの木製テーブルとチェアが4席×30卓くらいあるんじゃないかしら。数えたわけじゃないけど、以前に比べて1.5倍か2倍くらいになりましたかね。

 ランチの口あけすぐにお邪魔したもので、広い店内に先客はお一方のみ。右手に大きく切られた窓の下、ソファ席に案内されます。おねえさんがお持ちになったメニューを検討するまでもなく、メンチカツをお願いすると、店内中央に料理がずらりと揃ったテーブルを示して、「メインのお料理が出てくるまで、バイキングをお取りになってお待ちください」と案内されます。



丁稚飲酒帳-六種盛ってみました  どれどれと覗きに行きますてぇと、大型ジャーが二台にごはんがたっぷり。ごはんお代わり自由がうれしいですね。それにお汁は鯛とネギのお味噌汁。飲み物は麦茶にコーヒーが、それぞれアイスとホットが用意され、付け合わせの惣菜類が五種類。それに梅干し、キムチ、お漬物と、うーんとりあえずひとしきりよそうでしょう←貧乏性(笑)。


 こんにゃくとゴボウの煮しめ、カツオのあらと根菜の煮つけに、鯛ともやしの煮つけ、水菜とツナのサラダに、いんげんと玉ねぎのかき揚げ。ちょっとずつ盛りつけましたけど、これだけで結構ポリューミィよ。

 どれもごはんが進みそうな味わいですが、中でも鯛ともやしの煮つけ具合が、ほどよい塩気に鯛の甘味が口の中に広がって、これは出色。さらにはいんげん天が、油と野菜の甘味がひき立て合って、ああ幸せ。このあとメインで揚げものがくるのに、思わずお代わりしてしまうあたくしでした。


丁稚飲酒帳-メインセット  さてさて、お総菜に舌鼓をうっているうちに奥の厨房では調理が進んでいるようですね。先客さんの唐揚げに続いて、ついに来ましたよ、あたしのメンチカツ。実に数年ぶりの再会です。

 握りこぶし大のメンチカツには、たっぷりと特製ドミグラスソースがかかって、見た目ですでに生唾ごっくん状態ですよ。では、いよいよ御開帳~、しっかりと揚げられた衣を箸で切り分けると、中から肉汁と半透明の玉ねぎがじゅわーっと。ああ、君恋しと焦がれ焦がれてはや幾歳、さっそくいただいてみましょう。

 


丁稚飲酒帳-肉汁じゅわ~  パクッと一口、ああこれだ!と思いました。懐かしくも、数年間の脳内妄想で肥大した期待を裏切らない味わいです。

 なにより牛ひき肉と玉ねぎの甘さが、ごはんを求めさせます。もう最初の一口で茶わん半分のごはんをかきこんでしまったという事実(笑)。さらには、これまた甘味を基調としたドミグラスソースの味わいがまた深い。加えて、衣に閉じ込められた油の甘味が加わって、甘さの三重奏や~てなもんです。


 ドミの甘味がメンチ自体の甘さを殺してしまうのではないかと思いますが、これがドミグラスの中のわずかばかりの苦味が舌を新たにしてくれるのです。この組み合わせはやっぱりご飯だよなぁ…事実、ごはんは三杯行きましたがな(^^;

 加えて、この鯛味噌汁が絶品なのよ。鯛の旨味十分のだしに、淡く使われた味噌の塩気具合が本当にちょうど良くて、これもお代り必至でしょう。思えば、先ほどのもやし煮つけもそうですが、鯛づかいがお上手なんでしょうね。これはメンチカツだけでなく、お魚料理などもいけるでしょう。ちなみにランチメニューは、メンチカツ、コロッケから金目の煮つけ、カツオのたたきまで、今日は20種類ほどのメイン食材が並んでいました。むしろ、魚系の方が多いくらいです。

 メンチカツは最後の最後までジューシィで、最後の小さな切片を割ったときもまだ肉汁があふれるほど、これはね進みますよ。気づけばごはんは三杯、味噌汁二杯に惣菜も二回おかわりして、すっかりおなか一杯でごわす。


 これでお会計は1000円ですからね、新橋のランチ相場にしては高いのかもしれませんが、あたしは大満足。お会計の際、お店のマダムが「またゆっくりいらしてください」と上品な笑顔で、お声をかけてくれたのも嬉しくて。たまには小さな贅沢をするのも、自分へのご褒美でいいかもしれませんよ。

 夏の日の小さな贅沢、数年来の悲願を達成できてご満悦で都営線で家路に着くのでした。ごちそうさまでした。


ビアライゼ98 ランチ営業11:30~13:30(L.O.) 日祝・第2.4.5土定休