今日、「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」(1990年 イギリス)という映画を見た。
これはずっとずっと見ようと思っていた映画。
シェークスピア作「ハムレット」に出てくる登場人物に、主人公ハムレットの学友ローゼンクランツと
ギルデンスターンがいる。
その二人を主人公にした映画である。
たとえるなら、「踊る大捜査線」の真下君が主人公になった映画、「交渉人 真下正義」のようなもの。
私はこの映画には想い出がある。
5年前、大学生だった私は初めて付き合った彼とこの映画を見た。
図書館に映画を借りに行った私たちはどれを見ようかと選んでいたのだが、
彼はなぜかこの映画を見ようと言い出した。
私は題名を見てどんな映画なんだかもさっぱりわからなく、
なんでこんなの選んだのだろう?違うのがいいなぁ・・・。
と心では思ったのを覚えている。
仕方なく彼と一緒に私はその映画を見ていた。
ところが、内容が難しく、さっぱり分からなくて私はうとうとと眠くなってきてしまった。
まだ付き合って間もなかったので、寝ているのがバレないように必死だった。
見ている間、彼は何度も笑っていた。
私にはそれが笑うとこっだったのかさえ分からなかった。
そして、見終わったあと彼は、おもしろかった~っと満足げに言った。
私は全然意味が分からなかったのに、そうだね~、なんて言った気がする。
そう、彼はとっても頭のいい人だった。
ひとつ年上の国立大学生。
デートで話をしているときもレベルが高すぎる話に私はよく混乱していた。
きっと彼はシェークスピア作品を読んだことがあったのだろう。
でなきゃ、あの映画は絶対に分からない。
今思えば英文科だった私が「ハムレット」を読んでいなかったのは恥ずかしい。
でも、どれくらいの大学生(特に英語を専攻している人)がシェークスピア作品を
読んでいるだろうか?
彼は理系だったし、いつ読んだのだろう。
彼にしてみれば、それくらい知らないのは常識外だったのかもしれない。
彼とは後にいろいろあって別れたが、彼が私に与えた影響は大きいと思う。
私はそれから無知って怖いと思うようになり、大学での勉強も頑張るようになった。
それから大学院にまで進み、専門は「ハムレット」だ。
そしてこの映画の意味がやっと分かったのだ。
5年前に借りた図書館へ行き、5年前に借りた同じものを見た。
前にも借りに行ったことがあるのだが、貸し出し中だった。
やっと見れた。
いま、彼はどうしているのだろう。
ちなみに、この映画は「ハムレット」を知らない人にはあまりおすすめしない。
私のように眠くなって終わると思う。
私的には今回、すごく楽しく見れた。
こういうことだったのか~という感じ。
表舞台で繰り広げられいることがここでは裏舞台。
ハムレットも脇役。
ローゼンクランツとギルデンスターンのやりとりがなんともおかしい。
ふたりはこんなんだったのかな、と今までの「ハムレット」の想像が膨らむ。
彼らの視点から見ているので、裏の場面が見れたような気がする。
この映画もひとつの推測の話なんだろうが、こういう違った場面から作品を見ることで、
より「ハムレット」という作品の魅力にとりつかれる。