「どんなお酒が好き?」と聞かれるのが一番困る。


「料理による」としか言えないのだ。


お刺身、鮨、天麩羅、うなぎなんかにはやっぱり大吟醸、

烏賊の塩辛とか味のしっかりした和食には芋焼酎、

フレンチはシャンパン→ブルゴーニュの白→ボルドーの赤

イタリアンにはスプマンテ→トスカーナとかの白→赤

夏の暑い日にはきりっと冷えた白ワインかライム+コロナ、

バーではスコッチかアイリッシュのシングルモルト、

飛行機では最初はブラディーメアリー、

クラブではテキーラショットでしょ。


とこんな具合に、幸い私にはアルコールの高分解能を備えた肝臓を親からいただいたのだが、

こういうヒトが一番急性アルコール中毒等、アルコールに痛い目にあうことが多いのは周知の事実であろう。

二日酔いで出勤して、散々トイレとお友達になってしまい、やっとお酒が抜けてきて、また夜になると注入してしまうとか・・・

健康診断の結果が返ってくる度に、ASTやらALT、γ-GTPなど肝機能の低下により肝胆系の酵素が逸脱して、数値が上がってないか恐れているのはきっと私だけじゃない。


というわけで、どうすれば大好きなアルコールといつまでもお友達でいられるのかを考えてみた。


そもそもアルコールは胃粘膜で約20%が短期間で吸収され、残りが食べ物などと一緒に吸収され、小腸粘膜でゆっくり吸収され、血管に入る。

その後腸肝循環、つまり門脈を経て肝臓に入る。


 アルコール

    ↓ ←アルコール脱水素酵素(ADH)

アセトアルデヒド

    ↓ ←アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH1+ALDH2)

  水+酢酸



こんな感じで、アルコールの約90%くらいは 肝臓で アルコール脱水素酵素(ADH)(80%)とミクロゾームのエタノール酸化系(MSOS)(20%)の働きによってアセトアルデヒドに分解され さらに肝臓のミトコンドリアにあるアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酸化され 酢酸に変わる。

酢酸は 血液に送り込まれ、体内で水と炭酸ガスに分解され 水は腎臓から、炭酸ガスは肺から体外に排出される。


一次分解によって生じたアセトアルデヒドは、少量でも顔面紅潮や吐き気や頭痛をもたらすやっかいな物質である。

アセトアルデヒド分解酵素は5つ型があるが、アルコール分解は主に2つ、高濃度になって働くALDH1と、低濃度から働くALDH2がある。

お酒に強い、弱いを決めるのはこのALDH2の活性を持っているかどうかである。

ちなみに日本人の約半分くらいが この酵素の活性を持っていない。


つまり、ヒトにはタイプが3つあって、

ALDH2不活性型をX、活性型をYとすると、

1.XX(約10%)・・・全く飲めない、ビール一口ですぐ真っ赤とか

2.XY(約40%)・・・訓練で少しずつ強くなるかも

3.YY(約50%)・・・飲めるヒト

 

そして、2型の活性がないと ある人に比べて 同じ量を飲んでも アセトアルデヒド濃度が10倍以上も高くなると言われているらしい。


この活性があるかはアルコールパッチテストでわかる。

ちなみに私が学士(工学)を取った某マンモス大学では入学してすぐこのテストをフリーでやらせてもらった。

まあ、弱いヒトは新歓シーズン、心してかかれということで、正真正銘「飲めるヒト」切符を手に入れた私はNO Alcohol NO Lifeへ突入してしまったわけなのであるが。


話はそれたが、肝臓の代謝のスピードには個人差があるわけで、体重60kg~70kgの人で一時間に7g~10g程度と言われている。

アルコールの含有量は、ビール大瓶一本、ウィスキーのダブル一杯、日本酒一合が23gくらいで 約3時間で代謝される。

しかし どんどん飲み続けると 肝臓の能力にも限界があるので アルコールは肝臓を通り抜け 体内をグルグルと駆けめぐり、また肝臓に戻ってくる物もあれば 腎臓・胃・小腸などでアセトアルデヒドや酢酸に変わるものもある。

ある程度の時間がたてば アルコールの98%が分解され 残りはアルコールのままで息の中や尿の中に排泄されるのだ。


ここで、適正量について考えてみる。


翌日二日酔いにならないためには、睡眠時間を6時間と考えるとやっぱりせいぜい50gくらいのアルコールしか飲めないのか。

ってことはビールは大瓶2本、ワインだど500mlくらい。。。明らかにそんなんじゃ終わらないわけです。


じゃあ、酵素活性を高めるための、つまみの工夫。

それはタンパク質の摂取である。


肝臓でアルコールが処理される際に必要な酵素のひとつのADHは蛋白質が不足するとこの酵素が足りなくなる。 
チーズや 脂肪の少ない肉・魚介類・豆腐などが良い。

また アルコールを処理する肝臓の働きを高めるためには ビタミンB類やCが必要である。
また、果物の果糖は アルコールの分解を速める働きがある。

レモンなどは 二日酔いで酸性になって疲れている体に良いといわれる。


う~ん、ワインにチーズ、ライムとテキーラとかはやっぱり考えられてるわけだ。

でもフォアグラとかイベリコの生ハムにワインも好きなんだよね。。。


そんなわけで、頭では分かっていても飲みだすととまらないし、やっぱり霜降りは美味しいんですよ。


やっぱり好きになるのは「お酒が一緒に飲めるヒト」だし、友達もそう。

コミュニケーションツール(友人のアメリカンはノミニーションなんでしょって言ってた)なわけです。


ちなみにアルコールとの併用の禁忌は

・アセトアミノフェン(解熱鎮痛薬);少量の肝臓毒素が出来る。大量のアルコールがあると、この毒素を無毒化するのに必要な物質が出来ない。肝細胞が壊れて有害物質が脳に回って意識を失う。

・睡眠薬;中枢神経抑制、呼吸中枢の抑制の可能性も

・精神安定剤;一時的精神錯乱

・H2ブロッカー(胃腸薬)、セファム系抗生物質、少量の睡眠薬、精神安定剤、大麻など;アルコール分解酵素の抑制、つまり酔いが加速


胃薬とか解熱薬なんかは注意ですね、案外飲むものだし。


なんだかんだでこれからも健康診断はびくびくし、2日酔いで講義受けたりするんだろうな。


これからも楽しくお酒は飲み続けよう~


やっぱりNO Alcohol NO Life!!!