日本におけるデスモイド研究のフロンティアとして知られる名古屋大学が、腹壁デスモイド手術の切除域と再発に関する研究を報告しています。
難治性腫瘍のデスモイドにおいて、 腹壁発生に対しては R1 手術で良好な成績が得られる
これまでデスモイドは、その高い再発確率から悪性腫瘍と同等のマージンを取った切除がなされてきました。つまり、デスモイドを完全に除去出来るように大きく切り取るわけです。
一方、マージンを大きくして完全に取り切れた場合(R0と言います)と、デスモイドと正常細胞ギリギリのところを切除した場合(肉眼では取り切れているが顕微鏡では腫瘍が残っている状態。R1と呼ばれます)とでは、再発の頻度に変わりはないという報告もあり、より詳しい研究が待たれていました。
今回の研究では、腹壁デスモイドに限定し、15人の患者にR1切除を行ったところ、1人を除いて再発がなかったとのこと。
このことはつまり、腹壁デスモイドの場合はR0を目指して大きく腹筋を欠損する必要はなくなることを意味します。また、これまで手術が再発を促すのではないかと躊躇していた腹壁デスモイドの症例についても、増大傾向にあって痛みなどがある場合には、手術の選択が以前よりも積極的にされるようになりそうです。
