Policy Design Method For Next Age

Policy Design Method For Next Age

2015年からアメリカでデザインスクールに通うとある公務員の日記。政策立案にあたってデザインスクールで学ぶことは役に立つかをレポートしていきます。

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役所に入って、会議の場での風景として、
「現場を見ろ」
そうよく言われました。
「A社もこう言っていた」
よく引用されました。
「これが課題であり、これがソリューションです。」
確信をもって語る人がいました。

これらすべてに不思議と違和感がありました。
「現場ってどこ?」「見るって何をどうやって聞くの?」
「競合のB社は?中小のC社は全然違うこと言ってたけど。。。。」
「経験が長くなれば、ある程度のヒューリスティックスが蓄積されていって正しい答えに近づくのだろうか?」


こういった、「課題設定」のプロセスを越えて、政策ツールへの落とし込みや、政策実現のための交渉となったとたんに生き生きとする人間も多くみてきました。

まさに「職人技」。役所であれば、法律の改正作業(法律分の改正内容の検討)や、予算書の作り込み、予算の確保の交渉、政治家への説明などなど。

そこには、「方法論」はなくても、「先例」があり、マニュアルや経験値の蓄積があります。

しかし、ひとたび政策資源(法令の成立、予算の確保など)を確保すると、再び、役人は思考停止に陥ります。「執行」と呼ばれるそのプロセスにおいては、役所は、既に作られたマニュアルに基づき、あるいは、予算案であればスキームに基づき「淡々と」「用意されたレールをはずれないよう」安全運転を行います。

結果として、「課題を解決するため」つくられたはずの、政策の多くは、「的外れだったね」「予算の無駄」などと社会の批判にさらされる。何とも皮肉な結果です。

私が留学にあたって、ビジネスでイノベーションを起こすことを科学的に「Methdology」にまとめようとしたデザインスクールを選んだ理由はそこにあります。

政府の役人が、
「現場を観察し、課題を分析・提示する」
「政策案を作る」
「政策ツールを確保する」
「政策を現場で実現する」

というプロセスの中で、役に立つMethodやツールは存在しないのか。ここにヒントをもらいたいのです。

例えば、ビジネスの世界であれば、マーケティングや会計、プランニングの世界には思考を手助けするツールが存在しています。「4C」というフレームワークや、バランスシートに基づく思考法を学ぶ学問が存在します。新しいビジネスの創造という観点でも、その発想を支援しようとする「ビジネスモデルキャンバス」やポーターの「Activity System」などなど。

アカデミアの世界であっても、基本的な立論→過去のテーゼの提示→あてはめといった基本的な思考モデルはそれほど変わりません。

しかし、役所にはそれがあるでしょうか。

①現場とは、どこのことで、どのように観察するのか。
②集めた洞察をどのように分析するか、課題として提示するか。
③課題に適切に対応する政策を考えるにあたってどのように考えるか。先例をどのように生かすか。
④組織として、どの政策が正しいか判断する際の判断基準は何か
⑤執行にあたって、何を大切にすべきか、カスタマイズがどれぐらい許されるか
⑥執行で「改善点」をいかに抽出していくか

といった点に関して、「個人の経験」「そこから一般化された「教訓」」以上の方法論が一切ないことを感じたことはないでしょうか。

おそらく、これは、公務が、主に、「「過去から継続的に続く」「与えられた課題」を「法令に基づく分担」に沿って着実にこなしていく」業務であるからだと思います。
前任・後任、組織としてポストに紐づく業務が「方法論」をあえて構築しなくてもなんとか業務をこなしていくことはできます。

しかし、これからの時代を考えるに、「突発的に生じた課題(もしくは長年当たり前としてとらえられ埋没している課題)」に対して、「自ら課題を設定し」、「役割の有無に関係なく」「周囲を巻き込みながら」課題を解決していく」ことが求められるのではないでしょうか。

僕は、これらの「現場の観察」「課題設定」「問題発見」「手法選択」「個別ケースへのあてはめ」「PDCAサイクルの展開」といったそれぞれに関して、役に立つツールやメソッドがないかまとめていければと思っています。