WBAミドル級スーパー王者の村田諒太選手が、ミドル級のトップ選手であるゲンナジー。ゴロフキン選手と対戦して敗れた。

 

村田選手は初のTKO負け。ゴロフキン選手はやはり強かった。強い上に優しい。まさに好漢。

 

良い試合を見せてくれた二人には改めて敬意を表したい。

 

自分の予想ははずれてしまったけど、試合内容を要約したレポートを記させて頂く。

 

①序盤 積極的な村田選手。勢いの見られなかったゴロフキン選手

②中盤 ペースを掴むゴロフキン選手。劣勢になる村田選手

③勝敗の瞬間 ゴロフキン選手の恐ろしき実力。静かに崩れ落ちる村田選手

④最後に 村田選手とゴロフキン選手の今回についてのまとめ

 

①序盤 積極的な村田選手。勢いの見られなかったゴロフキン選手

 

村田選手は初回から飛ばしていくと公言していた。どうやら牽制ではなく本当にそうゆう作戦だった。面食らったのかゴロフキン選手は村田選手の圧力に押される。

 

ゴロフキン選手はジャブが良い。予備動作がまるで見えない上に、画面越しでも分かる重さ。おそらく一発一発が気の遠くなるような威力なのだろう。

 

そんな中でも、村田選手はボディブローが良い。右のボディストレートも使ってゴロフキン選手のスタミナを削る。

 

これは日本人選手がミドル級のトップに勝てるかも?という希望を持たせてくれる試合展開であった。

 

②中盤 ペースを掴むゴロフキン選手。劣勢になる村田選手

 

これはいける!誰もがそう思った試合展開。

 

だが5ラウンドも終盤にさしかかろうという時に流れが変わる。ゴロフキン選手のコンビネーションが増えてきた。

 

正面のガードを避ける左フック。真下からのアッパー。

 

ボディを効かされているはずなのに、パンチの威力はまるでおとろえていない。

 

村田選手はガードを崩していないが、ガード越しでも効かされているのが分かる。明らかに手数が減ったのだ。

 

それでも反撃はするし、苦しいのは双方同じ。

 

そうは思っていたものの、ゴロフキン選手の強打は確実に村田選手にダメージを蓄積させていた。

 

③勝敗の瞬間 ゴロフキン選手の恐ろしき実力。静かに崩れ落ちる村田選手

村田選手の動きが止まる。序盤のボディブローもほとんど見られない。

 

ゴロフキン選手は逆に勢いが増してくる。重たいパンチを繋げて村田選手を何度もロープ際に追い込む。

 

打たれ強い村田選手が明らかに効いている素振りを見せる。ガードを固めて動きが止まってしまったのだ。

 

ここを逃すわけもなく一気に詰めてくるゴロフキン選手。

 

苦しいながらも反撃をする村田選手だが、力が入っていない。

 

最後はゴロフキン選手のパンチをテンプルにくらって静かに崩れ落ちる。

 

セコンドからのタオル投入。

 

ここですべてが終わった。

 

④最後に 村田選手とゴロフキン選手の今回についてのまとめ

 

【村田諒太】

村田選手は今回は過去最高の出来だったと思う。ブランクが長かったものの、その分しっかりと休めて練習も上積み出来た結果だった。

 

初回からの圧力と手数の多さも良かったし、ボディブローを多用したのも良かった。あまり見せないアッパーもあった。

 

しかし、アームブロックに頼り過ぎた。ゴロフキン選手の強打はガードをしていても効かさてしまう。

 

倒される前に見せたダッキングを最初から使いたかった。

 

本当に残念。でも勝てるかもしれないと希望を持たせてくれた強さには見上げたものがあった。

 

お疲れ様でした。感動をありがとう。

 

【ゲンナジー・ゴロフキン】

 

ゴロフキン選手は序盤を見ていて、あまり調子が良くないのかな?と思った。

 

だが途中からの巻き返しはまさに多くの修羅場を潜った者だけが持てる技。

 

村田選手のパンチをもらっているように見えて、微妙にヒットポイントをずらして、決定的なダメージを避けていた。

 

タフネスさもあったと思うが、そんな細かいことも今回の勝ちを底上げしていた。

 

だが目立ったのはやはりあのパンチ。破壊力、多彩さ。それらを繋げることのできる技術。

 

改めて化け物じみた強さを見せてくれた。

 

最後のインタビューでは日本も東京も好きだと言ってくれて、村田選手に自分のガウンを着せていた。

 

今回はゴロフキン選手を応援できなかったが、やはり好感を持てる素晴らしい選手。強さも人格も一線級。応援したくなる選手。