イラストレーター米田仁士のオフィシャルブログ

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幻想絵画師・米田仁士のブログです

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2017年12月2日のゲームマーケットにて先行発売、正式発売は12月15日ごろとなる『TtTマガジンvol.5』の表紙絵です。これが完成した絵。

 

 

 

 

これが最初のラフです。しかしこれではタイトルや見出しを入れにくいことに気付いて魔神像の位置を右側に変更することに…

 

 

このラフをグループSNEの担当さんにお送りすると「タイトルに被りそうなので全体的に、もう少し下に下げてほしい」とのお返事。

 

全体の構図を下げたラフを再送信、OKを戴きました。

 

 

そのラフを詰めてゆきます。

 

 

いよいよ本番の水彩紙にラフから下書きをトレースします。

 

 

製作過程です。バックの空は水彩の偶然の滲みを活かすことにしました。バックを水で濡らして乾かないうちに筆で様々な色を置いていきます。ほぼ一発勝負なので結構忙しいです。

 

魔神を石像にするか金属の鎧を纏わせるかで、かなり悩みました。結局石像ではあまり目立たないようなので金属の質感を与えることに…

 

この絵を描いている時に大映特撮映画『大魔神』シリーズの着ぐるみに入っておられた役者さんの訃報を知り、「この魔神は自分なりの大魔神にしよう」などと考えて、映画の『大魔神』を思い出したりしながら描き進めていました。

 

 

 

これは以前、国際通信社から刊行していた『RPGamer』というTRPG専門誌のカバー絵です。女房の九月姫がイラストを担当していた『モンスターメーカー』というカードゲームの特集だったようで、ゲーム中で人気の高かったディアーネ・ルフィーア・ロリエーンの三人娘を私流にリアルに描かせて戴くことになりました。

 

 

これがラフです。

 

人物だけでは、ちょっと寂しい気がしたのでドラゴンを描きこむことにしました。

 

ドラゴンが目立つように上に移動。

 

ラフを決定して、下書きからの途中経過です。

女房の色使いは派手めなので、渋い色を多用する自分としては元絵の雰囲気を優先して、あまり渋くなり過ぎないように苦労した覚えがあります。(;^ω^)

暇な時には落書きを描いて過ごしてます。イラストレーターってのは一種の職人なので、漠然と何もせず過ごしていると、気が付かない内に確実に腕は落ちます。

 

ちょっと、そういう落書きをご紹介…仕事絵のラフや落書きはPainterというお絵描きソフトを使って描いてます。

 

 

これはオッドアイの女の子なんてのは、どうかなと思って描いてみました。何となく宇宙船に乗ってるイメージです。

 

 

何気にボンデージっぽい服装で…

 

 

 

こういう戦闘服みたいなのはどうかな、と…実はこの絵は昔、国際通信社が発行していた『RPGamer』というTRPG雑誌のカバー絵のラフなのです。

この絵はラフから完成までCGで描いています。とにかく槍を投げるポーズに苦労した覚えがあります。やはり動きのあるポーズというのは難しいですね。

 

 

 

以下はラフスケッチです。槍を投げるポーズをどう描くか腐心してます。一番最初に描いてみたポーズ。槍ということも分からずイマイチですね。でもとにかく取っ掛かりはスカでも何でも、とにかく何か描いてみるしかありません。

 

 

 

少しポーズが決定し始めたようです。

 

 

 

 

このラフを詰めていって上の完成画にゴールです。

これはエポック社から発売されたTCG『モンスターメーカーリザレクション』の若き頃のガンダウルフの姿です。バックは別の水彩紙に描いてデザイナーさんの方で合成して戴いて、一枚のカードに仕上げてます。

 

 

 

そして、この2点はラフスケッチです。始めはヨガの行者が座禅を組んでいるようなイメージで描いていました。

 

 

 

上のラフより、もっと動きのあるラフにしてほぼ決定です。

 



珍しくCGでの絵です。

 

 

オルトロスというのはwikiの解説では「黒い双頭の犬で、鬣(タテガミ)一本一本と尻尾が蛇になっている」というんでラフを色々考えてみました。まず背中から蛇が生えているという感じで…

 

 

 

双頭の犬で表現してみたら、どうしても地獄の番犬ケルベロスみたいになってしまいます。

 

 

んで、背中に犬と蛇を付けてみたり…最終的に一番上の絵で完成。

まずこれが最終的に採用して戴いて実際にカバーに使用された絵です。

 

 

 

実は、この絵には少し紆余曲折がありました。全体の雰囲気をオドロオドロしくしようと、バックの怪物めいた建物はかなり暗く落としていました。

 

 

上のデータをお送りしたところ「色々な意味を込めて『再会』がテーマなので、もう少し明るい雰囲気にして欲しい」との御要望で、急遽スキャンしておいた途中経過の絵のバックの部分だけをPhotoshopで合成、少しは明るい雰囲気になりました。

 

 

それとは別に原画の建物部分をガッシュ(不透明水彩)で塗り直してみました。これでもまだ暗すぎるように思ったので、Photoshopで人物以外の明度を若干上げてみました。

 

以上2点の修正画をお送りして選んでいただいた物が一番トップの絵になります。

 

 

これは絵の描き始めをスキャンしておいたもの。今から思うと、もしかして(あくまで、もしかしてですよ)人物以外の建物に関しては、これくらいが一番透明水彩の味わいが出ていて良かったのかも知れません。とにかくやたらと描き込めば良いというものでもないな、とシミジミと感じました。

 

 

そして絵のラフ。

『TtTマガジン』第2号のために描いた沢山のラフの中から、安田均先生が「第3号は『魔法』がテーマなので、これでいって下さい」と選んで下さった絵です。

 

 

 

 

これがラフです。

 

 

絵の製作過程…

水彩紙をベニヤ板にテープで固定して描いてます。絵の周囲のテープが少し見苦しいですが、気にしないでください。

 

描き始めて色をザッと置いた状態。ドラゴンの頭部を少し描きこんでいますが、まだまだスカスカです。

 

 

手前の女魔道士をもっと暗く落とした方が良いか迷ったのでパソコンでスキャン、そのデータをPainterで開いて試しに暗く落としてみました。

 

やはり暗くしたほうがドラゴンも映えて、女魔道士もグッと手前に出てくるようです。迷いが吹っ切れたところで、再び描き込んで上の完成画へ…

大正から昭和初期を舞台にしたクトゥルフTRPG本。大正ロマンの雰囲気を出すのに苦労しました。

 

妙に都電を描くのにのめり込んでますな。しかし和光ビルを描くのは意外と大変でした。東宝特撮映画などにもよく出てくるので、それなりに思い入れはあるのですが…

 

大正時代が舞台ということで、デザインをちょっとアールデコ風にしてみました。

 

 

 

下は『クトゥルフと帝国』表紙絵のラフ

色々苦労してます。