しばしば精神科の限らず、長期の療養が必要とされる疾患を抱える人に見られるという転移。

平たくいえば、主治医に対し好意を持ったり(陽性転移)、嫌悪したり(陰性転移)すること。

特に精神科領域の疾患の場合、主治医との会話量が多くなることもあり、患者側から見た心理的距離感が縮まる傾向にあるような気がする。

会話の中で患者の訴えに対し許容し、患者が求めている答えの方向性を読み取り、求めに応じた対応をする。

患者にとってはプライベートなパートナーに同じ反応を求めても、当然のことながら無理に等しい。
医師はプロだ。

そう頭の中で理解をしている。

そしてこの現象は治療段階の一つのステップに過ぎない。

これはまやかしだ。
会社の派遣ちゃんからLINEがきた。
どうやらまた女王様から無茶振りがあったようだ。

話しを聞き進めるに従い、なんとも言えない無力感を感じた。
なぜ、会社を辞めることを決意してパワハラ労災を申請したんだろう。
女王様、その上司はこれっぽっちも変わっていなかった。

その絶望感の中に唯一の希望は役員の対応だった。
危機管理責任者であるある役員は真摯に対応をしてくれていた。
あの時、私と約束をしてくれた通りの行動を取ってくれた。

友人曰く、女王様とその上司はマイルドサイコパスなのだという。
彼らに何を言っても伝わらない。
なぜならサイコパスだから。

あれやこれやと話を聞いてたその夜、部屋の電気を消したと同時に、これまでの出来事が次から次へと頭の中に蘇ってきた。

とても寝ていられる状態ではない。

パニック寸前だ。

何が起きているのか自分でも理解できなかった。

そのくらいのスピードでこれまでのエピソードが頭の中で再生される。

止めたくても止められない。

自分でも忘れていたような出来事すらもである。

涙が溢れてくる。

誰か助けて。

そう叫びたいが、旦那様は出張中。
隣の部屋には息子が寝ている。

必死に深呼吸した。
たまたま手にした堀江貴文氏の著書

『健康の結論』

堀江氏が積極的に取り組みを開始したという予防医学分野について、何故自分が予防医学に興味を持ち、活動を始めたか、どのように活動を進めていくかということが書かれている。

その本の第2章に自殺予防について書かれている。

その一説にアメリカ人心理学者 Tomas E. Joinerの『自殺の対人関係理論』について触れられている。

人は単に自殺を企図、実行するわけではなく、ある条件が揃うことで自死というハードルをいとも簡単に超えてしまうという。

所属感の減弱
②負担感の知覚
③自殺潜在能力

ワタシにとってはうつを発症してから、②や③については常に自分の中で認知していたものである。

死んだらどんなに楽になるだろう。
生きるというのは神から与えられた罰だ。
そう思いながら息も絶え絶えに生きていた。

周りに迷惑をかけないように、少しでも力になれればなどととにかく自分の存在が周りの負担にならないように振舞っていた。

そんなエピソードがすでにあった上で、

「あなたは邪魔だ」

と仕事を取り上げられ、部署から追い出された時、最後のピースが嵌った。

そして死を選んだ。

人間という生き物はこうも単純なものなのか。

誰も他人を理解できないと言いながらも、セオリー通りに動いてしまうらしい。

最後のピースを嵌めた人物が悪なのか、それはわからない。