【歯の治療】いまどき銀歯なんて時代遅れ?保険適用の白い歯だってあるんです。 | dental-techniqueのブログ

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元歯科技工士が自らの経験を踏まえて、歯科関係のお話を綴っています。

今回は、現在お口の中に銀歯が入っている方に向けて、もしかしたらそれ白い歯にできるかも、というお話をしたいと思います。

 

先日、食事中に「ゴリっ」という嫌な感触がありました。

 

もしかしたらと舌で歯をなぞっていくと、一本だけ割れている歯があったんです。

 

それは昔、歯科技工士をしていたときに、僕よりも上手な人に作ってもらったメタルボンドでした。

 

メタルボンドとは、金属のフレームに陶材を焼き付けたものです。

 

出典:医療法人仁愛会歯科

 

これ歯医者さんで普通に治療してもらうと、1本10万円くらい請求されるんですよね💧

 

僕が歯科技工士のときは、この補綴物に限らずなんでも自分で作ったものを歯医者さんにセットしてもらっていたので、材料代等はタダだったんです。

 

しかし辞めた今となっては、今までのコネも使えず、自分で作ることもできないので覚悟して診察を受けることにしました。

 

 

 

提示された治療プラン

 

いざ診察を受けてみると、割れたものと同じメタルボンドでの治療は、10万円ほどすると言われました。

 

やっぱりそれくらいかかるか・・・と思い、それなら銀歯でもいいんですけどと提案しました。

 

割れた歯の箇所は右上の奥歯だったので、笑ったときにチラッと見える程度かなとも思ったのです。

 

しかし、歯医者さんの答えはこうでした。

 

「銀歯なんていまどき適合も悪いし、やめたほうがいいよ」

 

適合とは、歯医者さんで削ったところにピタッと隙間なく入るかどうかの話。

 

正直、保険適用の銀歯は単価も安く、新人の歯科技工士さんがやるような仕事でもあるので、誰も真剣に作ろうとはしないことが多いです。

 

そこで、メタルボンド以外で何かいい治療法はないですか?と聞くと、

 

歯医者「一応、プラスチックの白い被せものがあるけど、また割れるかもしれないよ?」

 

僕「治療費はいくらですか?」

 

歯医者「1万円くらいかな」

 

僕「じゃあそれでお願いします!」

 

以前はタダでセットしていたものに10万円ものお金を払いたくない僕は、即決でその白い被せものでの治療をお願いしました。

 

後で調べたのですが、この白い被せものとは「コンポジットインレー(CRインレー)」というものでした。

 

 

出典:みまつ渡辺歯科医院

 

アホな僕はこの時点で先生が、「材料がプラスチックだけど」と言っていたのを勘違いして、CAD/CAM冠(キャドキャム冠)だと思い込んでいたのです。

 

CAD/CAM冠とは、ハイブリッドセラミックブロックをコンピューターで制御して削り出しを行うものです。

 

出典:きらら歯科医院

 

見た目は似ているようでもコンポジットインレーに比べて、CAD/CAM冠の方が材質的にもいいと思います。

 

 

 

メタルボンド・CRインレー・CAD/CAM冠の特徴

 

「メタルボンド」

 

メリット

  • 色が天然歯に似ているので見た目がきれい
  • 中身が金属なので割れにくく、ほとんどの部位に使用可能
  • 高精度かつ汚れが付着しにくいため、歯周病や2次むし歯になるリスクが低い

デメリット

  • 極度に強い衝撃を与えると割れる
  • 将来的に歯茎が下がって、歯と歯茎の境目が見えてくることがある
  • 角度によっては裏側から金属が見える
  • 1本あたり10万円ほどかかる
 
 
「CRインレー」

メリット

  • 色が歯に似ているので見た目が良い
  • 金属を使用しない
  • 金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色がない
  • 金属アレルギーを起こす可能性がない
  • 保険適用

デメリット

  • 吸水性がある為、少しずつ変色して見た目が悪くなる
  • 汚れや歯垢(プラーク)がつきやすい
  • 強度が強くない
  • 歯を削る量が金属よりも多い
 

「CAD/CAM冠」

 

メリット

  • 色が歯に似ているので見た目が良い
  • 金属を使用しない
  • 金属アレルギーを起こす可能性がない
  • 金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色がない
  • プラスチックの歯と比べると汚れが付きづらいため清潔
  • 硬すぎることがないため噛み合う相手の歯を痛めることがない
  • 従来100,000円近くかかった治療が保険適用のため10,000円以下で可能となった

 

デメリット

  • 強い力がかかったときに割れることがある
  • 接着しづらいため、金属の歯よりも外れやすい
  • 長期間経過すると若干ではあるが色の変化が認められる
  • 部分的な詰め物には適用できない
  • 第一大臼歯には、上下の第二大臼歯が全て残っている場合のみ適用できる(以下、条件について)
 
出典:YAMAKIN
 
 
僕なら今度治すときはCAD/CAM冠にしようかなと思いますが、先生ともよく相談をしたうえで決めようと思います。
でも、たぶん高い治療を進められるんだろうな・・・
 
ちなみに、自費治療としてメタルボンドをあげていますが、この他にもメタルを使わないジルコニアという素材を使ったもなどもあります。
 

まとめ

 

やはり保険適用で白い歯を入れられるといっても、デメリットにもあるようにあまり長期的には使えそうもないし、最終的にはメタルボンドなどの高い歯をセットしなければならないのかなとも思いました。

 

安いにもそれなりの理由があるということですね。

 

逆に費用をかけられるのであれば、審美的にも効果の高い良いもを入れられます。

 

この辺りは当たり前のことですが、1万円と10万円の間での選択肢がもう少し欲しいものです。

 

そしてセットした後では、面倒ですが定期健診も大切になってきます。

 

毎日一生懸命に歯を磨いていても、気づかないうちに虫歯になっていることもありますので、早期発見で治療を最小限に留められるようにすることがベストです。

 

もし治療で悩んでいる人は参考にしてみてください。

 

では、また。

 

 

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