デンタアプローチの開発経緯を開発者の半生を振り返りながら記録していきます!
「もうダメや・・・」
そう思ってへたり込んでただただ火事を見ていると、
燃え盛っていた向かいの家が私たちの家と違う方向に焼け落ちました。
そして一気に火の勢いが弱まったのです。
「助かった!!!」
足の震えはとまりませんでしたが朝からの緊張の糸が少し緩みようやく落ち着いて回りを見渡しました。
ビルはなんとか全焼を免れましたが、前日に完成したとは思えないほど前半分は真っ黒になり、
窓ガラスはすべてヒビが入り、中のクロスも熱によってとけていました。
そしてお義母さんが ”こんないい正月二度とこうへんわ”
その言葉の通りお義母さんと過ごした最後のお正月となり、
その年のお正月がまるでなかったかのように徳島旅行で撮った写真も
現像に出した写真店が全焼しすべて燃えてなくなってしまいました。
私たちの住んでいた長田の町は火災がひどく1月16日に完成したビルの向かいから
一駅向こうのホームが見えるほどまる焼けになってしまいました。
お店を1年間休業し貯金はすべて使い果たし、
建設していたビルの返済が始まり、上の供は高校受験が迫っている。
お義母さんが亡くなったショックと街が変わり果ててしまったことの絶望感。
そして時間が経つにつれてこれからどうやって生きていくのか。
借金は返済できるのか。こんな町になってしまって再び商売は出来るのか。
不安で夜も眠れない日々が続きました。