今回の動画はこれと言ったトピックもなく懐かしいことを思い出すままに語って頂きました。

 

 やはり一番興味深かったのは南本先生とのエピソードですね。この話は私も始め知りました! 以前から「いきなり顔面を殴られた」ということは聞いてましたが、それに「不意打ち」的な要素まで入っていたとは恐れ入りました。

 

 まあ、これも南本先生にしてみれば、ある意味「親心」的なつもりなのかも知れません。後年、渡邊総師範が南本先生に「先輩、なんであの時はいきなり顔面を正拳で殴ってきたりしたんですか?」と直接聞いたことがあったそうです。

 

 それに対する南本先生の答えは「お前、入門書の同期欄に“ヤクザとケンカをする為”って書いてたろ? だから、なるべく早く強くしてやろうと思ってな」と、総師範の為にやったと言われたそうです。

 

 当時、日大の空手部主将をしていたのは知っていたので「日大の空手部ってのは、こんなに野蛮な組手稽古を毎日してるんですか?」と尋ねたそうです。すると南本先生はビックリした顔で「そんなことできる訳ないだろう。あそこでは寸止めだよ。ここだから拳で殴れるんだ!」と笑いながら言われたそうです。

 

 門人Tさんがある雑誌を持ってきました。それには南本先生のインタビューが掲載されており、その中で「大山道場の組手では掌底で顔面を叩いていた。拳で叩いたことはない」と語っていたのです。それを見た総師範は「全くのデタラメだよ。オレ、何度も拳で殴られて。ホントに目から火花が出たよ!」と興奮されてました。