「伝枝のちょんちょん落語会」ご来場ありがとうございました!

 

 

・「短命」

何年か前に遊喜兄さんとネタ交換で教えていただいた。

八五郎がバカっぽく、すこし色気もあって好きな噺。

歌丸師匠が「『短命』は縁起が悪い、サゲが『長生き』だから『長命』だ」とおっしゃっていて、芸協では「長命」と表記することが多いが、個人的には「短命」であってほしい。

ま、ぶっちゃけどっちでもいいいけどね。

 

 

・「中村仲蔵」

10年程前に小満ん師匠に教えていただいた。

もとは講談ネタで、物語のメインは初代中村仲蔵が定九郎の新演出に挑む場面だが、そこに向かう構成や演出、噺の終わり方は演じる人によって様々。

小満ん師匠は歌舞伎役者の格、仲蔵の生い立ち、仮名手本忠臣蔵と当時の歌舞伎界の様子などを丁寧に描いている。

一旦それらをもう少し掘り下げてやってみたがどうにも蘊蓄ばかりで面白みに欠けるので、今回は全体的にすっきりさせたうえドラマパートも登場人物が際立つように作り直してみた。

今回のものをベースにして、ストーリーの展開のさせ方やショートバージョンなど、まだまだやり方はありますなあ。

 

仲蔵が受けた楽屋いじめは本当に凄惨なものでここで紹介するのもはばかられる内容、興味のある方は自著『月雪花寝物語』や松井今朝子著『仲蔵狂乱』をご覧ください。

『月雪花寝物語』は、本当によくこんなことまで自分で書くよなあというような当時の歌舞伎界や江戸の風俗が生々しく描かれている反面、師匠の二代目中村伝九郎、座元の六代目中村勘三郎に可愛がられた子役時代のほほえましいエピソードなど読みどころ満載、こんなことが本人の筆で知ることができるなんて、本当に「本」てすごい!

上記内容に加えて、芸風や役者としての評判はこちらでサクッと読めますのでパソコン、スマホでお手軽にどうぞ。

伊原敏郎『近世日本演劇史』国立国会図書館デジタルコレクション 第五章 中村仲藏と四世松本幸四郎

 

四代目市川団十郎の舞台で仲蔵が台詞を忘れたエピソードは三代目仲蔵の「手前味噌」にあるらしいです。

読んでないけど。

 

四代目団十郎の元では、仲蔵は5才年下の後の五代目団十郎とともに切磋琢磨しています。

この五代目団十郎は江戸落語中興の祖・烏亭焉馬ととっても仲良しでした。

 

ちなみに大河ドラマ「べらぼう」にざくっと照らし合わせるとこんな感じ。

明和3年(1766) 秀鶴型の定九郎初演/蔦屋重三郎15才、吉原に暮らしていた少年時代

安永4年(1774) 蔦屋重三郎23才「吉原細見」を初めて発刊/翌年仲蔵森田座の座頭になる

天明8年(1788) 仲蔵「役者評判記」にて至極上上吉/前年より寛政の改革による出版規制

寛政2年(1790) 仲蔵55才で死去/蔦屋重三郎40才で歌麿の美人画大首絵を大ヒットさせる

 

江戸三座すべての座頭を務めたのは初代中村仲蔵ただ一人です。