おっす。
電気と現場で生きていく男、電工マンだぜ。

 

フツーのやつが「電気工事」って聞くと、真っ先に思い浮かぶのは「照明つける人」「コンセントの増設」ってあたりかな。俺も素人だった時はそうだった。

でもな、この業界、そのレベルで終わらせたらマジでもったいない。「住宅工事」と「ガチの大規模現場」では、やってることも、学べるスキルも、未来の見え方も、全部違う。

 

今回はその違いを、現場の泥をかぶってきた俺が、リアルな視点と資格・技術の話も交えながら徹底解説していくぜ。

 

 

 

住宅工事と大規模現場。そもそも何がどう違う?

 

まず前提として、法律上でも現場は区分けされてる。

 

  一般住宅工事:

 

法律では「一般用電気工作物」って呼ばれてて、

  • 戸建て
  • アパート
  • 小さな店舗や事務所

このへんが対象になる。


第二種電気工事士がいれば対応できる現場だ。

まあ、いわゆる街の電気屋さんだな。

 

取り扱う電圧はせいぜい100V〜200V、電力も50kW未満。
 

分電盤の設置、照明・スイッチの取り付け、エアコンの電源増設・・・
言ってしまえば、「人の暮らし」に直結した仕事な。

 

だから「生活インフラを守ってる」って意味ではめちゃくちゃ価値あるし、独立も目指しやすい。けど、そのぶん、使う知識や技術の幅は限られてくる。

 

 

  一方、大規模現場は「自家用電気工作物」

 

これはもう、別の競技と言っていいレベルの世界。

 

対象は・・・

  • 工場(自動車、食品、精密機器、半導体、化学プラントなど)

  • 発電所・変電所

  • 商業施設・大型物流倉庫

  • 官公庁、データセンター、空港などインフラ施設

電力は500kWを軽く超えるし、高圧(6.6kV)や特別高圧(2.2万V以上)。施工範囲も、受変電設備・動力設備・制御・監視・通信・計装。全部含まれてくる。

 

現場のスケール感で言えば、「家一軒」じゃなくて「街一つ分のライフライン」を背負ってる感覚に近い。「止めたらアウト」「間違えたら死人が出る」「夜間も休ませね〜ぞ」という空気感が、全然違う。

 

※まっ、実際には低圧工事の方が感電事故は圧倒的に多いんだけどな。

 

 

工事の内容も全然違うぞ

 

まあ、電工の資格勉強とかしてりゃわかるけど、2種は主に一般住宅、1種は大規模現場。両者は共通の部分もあるが、内容は基本的に異なる。

 

  一般住宅工事でやること

 

  • VVFケーブルを引き回して、照明・スイッチ・コンセントを設置

  • 分電盤を設置して回路分け

  • エアコンやIHの専用回路を増設

  • 電灯用ブレーカー、漏電ブレーカーの選定

言ってしまえば「決まったパターンをキレイにこなす力」が問われる。だから、電気工事とは言いつつ、水道とかガスの取り付け・修繕なんかも同時にやってる所が割とある。

 

 

  大規模現場でやること

 

こっちはまったく別モノ。たとえば:

  • CVTケーブルを200m引っ張る(100kg超)

  • 地中埋設ルートで曲がりも多いからウインチや潤滑剤もフル使用

  • 受電設備のキュービクル搬入・盤組立

  • OCR(過電流継電器)やGR(地絡継電器)の設定・試験

  • 分岐母線バーの接続にボルトの締付トルク管理

  • 制御盤内の多芯ケーブル結線、リレーの動作確認

  • PLC・BEMS・SCADAなどの制御系の電源・信号系統の確認

しかもこれ、全部一人じゃできない。複数業者と連携して、日々の工程・安全・品質を回し続ける「チーム戦」だ。

 

 

配線・配管も難しいモノが多いしな。電工に夢見て大規模現場入ってきたヤツらは、その多くが脱落する。

 

 

必要な資格とスキルも“別世界”

 

住宅なら、二種電工を持ってれば8割対応できる。でも大規模現場ではそれじゃ話にならない。

 

必要なのは……

  • 第一種電気工事士

  • 電験三種(主任技術者)

  • エネルギー管理士

  • 高所・玉掛け・小型クレーン・フルハーネス

  • 冷凍機械責任者、消防設備士、管工事系資格

  • 技術士(施工管理)、施工管理技士、電通担任者 etc.

さらにそれらを活かすには

  • 回路設計の知識

  • 三相負荷計算

  • 設備図面・単線結線図の読解

  • 制御ロジックの理解

  • 波及事故・故障対応への判断力

  • 現場マネジメント・安全書類の作成スキル

ここまでやって、ようやく大規模現場の主戦場に立てる。

 

え?もう戦意喪失した?

いやいや、ちょっと待てってパーよだれアセアセ

 

 

 

経験を積めば、将来の景色が変わる

 

正直言って、大規模現場での数年は、一般住宅の10年分の密度がある。毎日が緊張の連続だけど、そのぶん「できること」「見える世界」がどんどん広がっていく。

  • 工場保全の中核人材になれる

  • 受電設備の管理者として独占資格を持てる

  • IoT・制御・自動化の分野へスライド可能

  • セコカン・技術士など施工管理系で上がれる

  • メーカー系の設計職・技術営業にも道が開く

オレの仲間にも、現場からスタートして今は設計者やエンジニア講師として稼いでるヤツが何人もいる。

 

 

 

ぶっちゃけ、収入も違う

 

金の話ってのは、どの業界でもタブー扱いされがちだ。

 

でもな、オレら現場の人間は、ズル賢く口先だけで生きてるわけじゃねえ。責任を負って、手を動かして、汗かいて、この現代社会と人々の生活を支えてんだよ。

 

だからあえて言う。電気工事の収入、住宅系と大規模現場じゃ、仕組みの時点で天と地ほど違う。

 

  一般住宅系のリアル

 

  • 月収:25〜35万前後(経験3〜5年)

  • 年収:350〜450万あたりが相場

  • ボーナスは業者次第で“寸志”、なしも多い

  • 残業代が出ないケースも珍しくない

  • 独立開業すれば月50万〜100万も狙えるが、完全に実力勝負+営業勝負

住宅電気の現場ってのは、「競合が多い」「単価が安い」「工期が短い」この三重苦がある。基本は時間単価で勝負する構造だから、丁寧な施工より「速さと回転数」が収入の肝になる。
 
つまり、腕があっても“儲かる構造”に乗れてなきゃ、稼げない。
 
もちろん、町の電気屋として地元に信頼されて、紹介だけで回るような勝ちパターンもある。でもそれは、営業力・人脈・地元力・キャラ立ち……全部揃ってないと難しい。
 

 

  大規模現場系のギャラの仕組み

 

  • 月収:40〜50万台(職人3〜5年目)

  • 年収:550〜650万クラスがベースライン

  • 施工管理や主任技術者クラスになると700〜850万レンジも普通に狙える

  • 案件単価がそもそも高い(公共・法人・元請直系)

  • 残業代は支給、深夜・休日出勤手当も厚め

  • 資格手当・職長手当・出張手当・夜勤手当など、手当が豊富

現場そのものが「高圧」「特高」「命に関わる」世界だから、責任の重さと資格の価値がそのまま金になる。

 

ただ、こっちの大規模現場系にも闇はある。それは「経営者と役員しか儲からない」ってこと。特に一族経営のところはヤバイ管理体制が多い。

 

でかい案件ってのは、単価がいい。でも現場に入ってるヤツからしたら、地獄だ。それに、大規模案件と言っても、多重下請け構造の末端はかなり悲惨。

 

こっちを中心に回してる現場に行くなら、会社選びは慎重にな。マジで会社によってすべてが変わる。

 
 

最後に、オレからお前に言いたいこと

お前が「電気でメシを食っていきたい」って思ってるなら、住宅から始めるのはいい。けど、大規模現場で鍛えろ。

 

ダクターチャンネルとケーブルラック加工しながら、泥だらけのCVケーブルを引きながら、トランスの結線をやりながら、制御盤の図面を睨みながら、「もっと上を目指す自分」と向き合うんだよ。

 

電気工事を「手に職」なんてチンケな夢で終わらせるんじゃねぇ。オマエの手と汗と頭で未来を創り、動かし、支えていく仕事だ。

 

その腕一本で、町も工場も、未来も動かせる。そう考えたらオマエもやる気出ないか?

 

だからお前も、現場で汗かいて、資格取って、ただの作業員じゃなく、「電気のプロフェッショナル」を名乗れる自分になってくれ。

 

オレは、オマエにいつでも背中見せてやるよ。

電工マンより。