帰りに、久しぶりに会えたので全身の勇気を振り絞って乗り換えホームで話しかけてみた。

「あの・・・ こんにちは。」

「こんにちは」

「よくお会いしますよね?」

「え、そうですか?・・・何か?」

なんだろう。とてもビジネスライクな話し方をされてしまった。

ぜんぜん恋心のこの字も感じられなかった。

人が少ない時になんども横に来たりする行動は、意味があるように思い込んでたけど、偶然だったのか、はたまた面白がられていただけだった・・・

人ってこうやって恥かきながら、大人になるんだね。

男性からじゃなくて自分から話しかけると大抵、うまくいかない。

やっぱり男性から話しかけてこないってことは、そういうことなんだよね。

「ごめんなさい。人違いでした。」

そういうと、私は急いで電車の方へ走った。

勘違いしていた自分が本当に恥ずかしかった。

昨日からのひどい頭痛で、少し朦朧として、自分が普段と違う世界にいるような気がした。

「あの、ちょっといいですか?」

電車の中で吊り皮に掴まっていると、知らない男性に声をかけられた。

背の高い、良いスーツを着た仕事のできそうなイケメンだった。

「さっき見てたんですけど、あいつナンパ師ですよ。
いつも女性に気のあるフリしてあわよくばって奴です。何人もこの沿線でそういう女性を見て来ました。あなた良かったですね。」

「え・・。」

チャラいと思った第一印象は当たってた。

ショックが多すぎて呆然としていた。