重ねた時の手が
関節、幾つ分大きかったとか
2人が並んだ時
私の頭があなたの肩辺りでとか
一緒に食べたレシート
あの時のお釣りの50円玉
そんな小さいものが捨てらんなくて
そんな小さいことが
こんなに忘れるのが大変だって気付かなかった
「元気?」と
メールをしようかと思ってやめた
宛先が見つかりませんと
エラーが出るんじゃないかと
ちょっとだけ恐かった
はじかれるのはメールだけじゃない気がしてならなかった
私はもうあなたの話をしない
あなたの名前を呼ぶ事もない
時間が経って
きっとあなたはタブーになる
誰もあなたの話を私の前ではしなくなる
最初から他人だけれど
「他人」になりたいと心底思った
強すぎる見えない繋がりを断ち切る
真っ赤なハサミは誰が持っているんだろう
気付いたらうつってた口癖
あなたが好きなものは好きになれない性格
同じ格好で眠った夜
私はどんどん大人になる
わき目もふらず泣く事はない
何でもないって顔で笑って立っていられる
昨日の夜の事を誰にも打ち明けずに過ごせる
もう戻れない
振り返って見えるところにいる
二人はもうぼやけてる