喘息気管支炎がなぜ良くなるの?
1.概念・定義
喘息とは、発作性にゼイゼイやヒューヒュー(喘鳴)、息が苦しい(呼吸困難)、胸が苦しい、咳がひどいなどの症状が繰りかえしみられる病気で、それらの症状は自然に、もしくは治療により軽快・消失する。
2.疫学
喘息を持つ子供の日本全国を平均すると20人に1人とされている。
男子と女子では 1.5:1で男子に多く、都会化された地区でかつ南日本ほど喘息の子供の割合は高くなっている。
完全に治ったかどうかは、なかなか明らかにすることができず”寛解”と説明されることが多い。
成人になってからも再発する可能性は考えておかなければならない。
喘息が原因で死亡する子供の割合は、10万人に対して0.4~0.5名とされている。
しかし、小児期以降は、死亡率が高くなることが指摘されている。
子供から大人に喘息を持ち越した場合を”思春期喘息”とも呼ばれている。
この時期に本人の喘息の自覚や病気に対する理解がないと、喘息の治療や管理が難しくなり治療に難渋することが死亡率を上げている原因と考えられている。
3.症状
喘息は空気の通り道である気管支の病気だが、喘息発作を起こしているときの気管支に「気管支平滑筋の収縮」「粘膜の浮腫」「分泌物の増加」などの変化が同時に至る所で起こっていると考えられている。
「気管支平滑筋の収縮」…気管支を取り囲む平滑筋収縮による気道の狭窄
「粘膜の浮腫」…気管支粘膜の浮腫(むくむこと)
「分泌物の増加」…いわゆる痰の増加
これらの変化は、正常な人でも生体の防御反応として観察される。
しかし喘息患者では、これらの反応がわずかな刺激で激しく起こる特徴を持っている。
このわずかな刺激で反応を起こすことを「気道過敏性の亢進」といわれ、これが喘息の本体である。
で、喘息は発作のある時だけ気管支に変化が起こるのではなく、日常普段から気管支の炎症が存在しているということが明らかになってきた。
この持続する炎症こそが「過敏性の亢進」を引き起こしている原因であり、発作性の疾患という概念から「気管支の慢性の病気」へと見方が大きく変わってきている。
4.病因
・アレルギーと気道の反応 アレルギーの反応には、”IgE”と呼ばれる免疫グロブリン(免疫をつかさどる蛋白質)が主役をなしている。
ダニなどのアレルゲンが入ってくると、ダニに対して反応するIgE(特異 IgE)が結合し、免疫に関する細胞(肥満細胞)からの次の免疫反応を起こさせる科学部質(ヒスタミン)などが大量に放出される。
これが喘息症状をもたらす気道反応を起こす事になる。
喘息症状を引き起こす気道の反応は、アレルギー以外にもさまざまな原因がある。
天候の変化、運動、薬、タバコの煙、大気汚染、ストレス、風邪などの感染症、年齢、心理の問題など多数あげられる。
アレルギーは喘息と強く関わっているとされているが、それはあくまでも原因の一つで、喘息の発症にはさまざまな原因が複雑に絡み合っていると考えられている。
アレルギーの除去や回避は喘息の大切な治療だが、それだけで完治するものではない。
いくつもの原因を見つけ出し順に取り除いていくことが大切である。
5.治療(薬物治療)
喘息発作を引き起こす抗原からの回避は大切な治療だが、それだけではまだ十分とは言えず、気管支の慢性の炎症に対しての治療が重視されるようになってきた。
発作の有無に関わらず炎症は存在するので、喘息症状の有無に関わらず日常的に治療を行うことになる。
それで、喘息の治療は大きく二つに分けられる。
・喘息の発作予防(メンテナンス)
普段から自宅でのネブライザーによる吸入
吸入ステロイド剤の内服
喘息発作時の治療 ネブライザーによる吸入
吸入気管支拡張剤の使用
気管支拡張剤の内服
6.ラジウムラドン浴治療法(ラジウム温泉治療法)
低線量放射線ホルミシス効果によるホルモン作用は、体内の免疫系の強化を果たしたステロイド剤に代替 する様々なホルモン作用などで改善が見られます。