「榎本さん!」
事件解決後、駐車場に停車させているワゴン車に戻ろうと、
歩を進める榎本と青砥を引きとめたのは…
「あぁ、どうも。」
警視庁捜査一課の刑事、片山だった。
小走りで榎本に駆け寄ると、満面の笑みをこちらに向け、
感謝の言葉を述べた。
「あの、今日はありがとうございました!
榎本さんのおかげで、事件がいち早く解決でk」
「いえ。」
片山の言葉を遮るように、榎本が口を開く。
「片山さんのおかげですよ。それと…」
榎本は片山の足元にいつの間にかついてきた三毛猫のホームズに視線を落とし、
「その猫も、ですね。」
「えっ?ホームズが…ですか?」
片山はホームズの存在に気づくと、彼女を抱き抱えた
「…では。」
「ありがとうございました。」
そう意味深な言葉を残し、場を去る榎本と、
片山に軽く頭を下げて榎本についていく青砥。
彼を不思議に思いながらも、榎本の背中に頭を垂れる片山だった。
「おい、何やってんだ片山ぁ!」
そう背後から根本の声がかかると、
「はいっ!」
慌てて上体を起こす片山。
「もう~…早く署に戻りますよ?」
呆れながら彼に言葉をかける石津。
「ホームズ、行くか。」
抱きかかえた猫に向かってそう言うと、
片山は警部達の元へ駆けていった。
-END-