Ghost/Hypo 劣性モルフ(Recessive Morph)
Ghost
海外ではHypoと呼ばれる事もあるMorphですが
個人的にGhostという名前が好きなので以下の文ではGhostと明記していきます。
Ghostは古くからあるMorphであり
劣性モルフですが比較的安価で市場に出回る事が多いです。
淡く曇った様な色合いはSingleでも洗練された色合いを醸し出し
ComboにすればGhostでしか出せない色合いを加えてくれるMorphです。
【Hypo】はギリシャ語で【少なすぎる】と言う意味です。
これはMelanin含有量が減少している事を表しています。
完全に消失している訳ではないので黒色に近い色が出ますが
黒色色素のMelanin含有量が少ないので
淡いグレー色が表現される事になります。
また、Ghostの脱皮殻は模様が付かない為
透き通った脱皮殻になります。
通常の脱皮殻ではその個体の模様が
脱皮殻にも付きますが
GhostはMelanin含有量が減少している影響なのか
模様が付かないといった特徴があります。
次にGhostの歴史についてまとめていきます。
Ghostは1994年に
KevinMcCurley/NERD(New England Reptile Distributors)
によって色がかなり淡いWC個体(Wild Caught)のPairから
Morphとして確立されました。
Ghostは毎年WC個体が多く輸出されており
主にBenin周辺でよく発見されています。
Ghostには数多くのLineが存在し
互換性が有るLineと無いLineが混在しています。
主なLineは以下になります。
Orange Ghost
Yellow Ghost (Outback Retiles)
Citrus Ghost (Gulf Coast Reptiles)
Blue Ghost (Yellowbelly Ball)
Slate (8 Ball Exotic Reptiles)
G1 and G2 Ghost (Graziani Reptiles)
(BSG) Butter Scotch Ghost
Green Ghost
Bell Ghost
Extream Ghost
210 Hypo (Ron Tremper)
それぞれのGhostに特徴があり
オレンジの強いGhost
黄色が強いGhost
青色が強いGhost
緑が強いGhost等の特性があります。
Slateとは渋い青色が特徴のBlue Ghostで互換性がありません。
過去の記事で詳しく書いているのでこちらも参考にして下さい。
現在では色々なLineが混在していまい
純血なGhostは少なくなっていますが
Lineに拘っているBreederは他の血を混ぜない様に
Breedを進めていきそのLineに拘えりながら維持してくれています。
互換性が有るからこそ増えやすくもなりますが
混ざってしまうとそのLineの特徴が無くなってしまう
可能性も高くなってしまいます。
個人的には血統維持をしながらBreedを進めていく事を勧めます。
次に別名が付けられているComboをまとめていきたいと思います。
Caramel Glow aka Caramel Albino Ghost
Honeybee aka Spider Ghost
Mimosa aka Champagne Ghost
True Ghost aka Axanthic Ghost
Black Ghost aka Black Axanthic Ghost
Sunglow aka Albino Ghost
Swarm aka Enchi Spider Ghost
GhostはDark MorphとComboになると
色の明暗差が大きく分かる為人気が高いですが
明るいMorphとのComboでもGhostでしか出せない色合いがある為
個人的にはほとんどのMorphとの相性が良いと感じています。
ここからはGhostの好きなComboを載せていこうと思います。
↑Chocolate Ghost
SimpleなComboですがGhost Comboの中でも
個人的にトップクラスに好きな組み合わせです。
淡い紫色の発色を狙うとすると
Blackpastel GhostやChocolate Ghostが1番出やすいかと思います。
この個体はChocolateのリデュースとSideの栓抜き柄がお腹側に引っ張られる
特徴がしっかり出つつ色合いも理想通りの発色をしてくれています。
↑GHI Ghost
Ghost Comboを語る上では欠かせないのがGHI Ghostです。
Dark MorphのGHIをPatternをそのまま残しつつ色を淡くしてくれる為
灰色のGHIを体現してくれます。
Adultになっても綺麗なのがGhostの特徴でもあり
2kg越えのGHI Ghostは迫力と創玄な色合いが出てくるため
Babyの時とはまた違った印象を与えてくれます。
↑Fire Enchi Ghost
この個体はオレンジ色がかなり強いです。
Fireは優性Ghostと言われる程のHypo作用があるMorphですが
そこにGhostが入る事で更に色が1ランク淡くなります。
Enchiのバンディットもしっかり表現されており
本来金質のある色合いがFireとGhostが加わる事で
オレンジ色に変化しているのが分かると思います。
Enchi Ghostは個体差がありますが緑に近い色を出してくれる為
Ghost Comboを考える時にそこを基準に考えていくのも
面白い表現が狙えると思います。
↑G1 Ghost
この個体はComboではないですが一般的なGhostには無い
リデュース表現が特徴な為、掲載しました。
G1 GhostはGreg Graziani がOriginatorで
他のGhostとは互換性が無いとされています。
1番の特徴であるこのリデュース表現はhetでも見られるとされており
SingleのGhostでは見られないようなPatternをしています。
普通のGhostのPatternの多くは栓抜き柄が陳列される事が多く
ここまでのリデュース表現はまず出ない為
G1 Ghostならではの特徴であり互換性が無い為
他のLineのGhostと掛け合わせてもDouble hetになります。
個人的にはここにColor Morphを足して
Patternはそのまま残しつつ色の変化を加えたくなります。
↑Mimosa Cream
MimosaとはChampagne Ghostの別名です。
そこにCreamというMorphが入った個体になります。
体の前身と後身で表現が大きく違い
綺麗な透き通った灰色にオレンジのLineが入っている前身と
Piedの様な白い斑模様がでている後身を持つ可愛い個体です。
Champagneはしばしばこの様な表現が出る事が多いです。
Mimosaの良い所はやはりChompagneのゴールド感溢れる体色に
うっすらと紫がかった色合いが加味される所にあります。
Enchi.Leopard.Blackhead辺りを入れるとまた違った
Mimosaを楽しめるためおすすめです。
↑Super OD Enchi Ghost Pied 50% het Ultramel
かなり濃いオレンジ色の発色をしている個体で
Ghostが入っていないとここまでの発色は出ません。
Ghost Pied Comboが好きなのですがその中でもオレンジ色が強く出る
ODやEnchiとのComboがお気に入りです。
Piedの柄の面積比率も白い部分が少ないLow Piedで
オレンジ色の面積がしっかり出ている理想の個体です。
YBも入ってそうな雰囲気を感じます。
↑Confusion Ghost
Pattern MorphのConfusionとのComboになります。
Confusionは大きく乱れる箇所と小さく乱れる箇所がランダムに
表れる事で激しく乱れた表現が出るMorphです。
そこにGhostが加わる事で色合いがワントーン落ち着きこの様な
表現になっています。
個人的にはYBを加えてみたいです。
GhostがPattern Morphとの相性が良い事が1発で分かるComboだと思います。
Leopard GhostやSpotnose Ghostなども
かなりカッコいいので是非調べて見て下さい。
↑NR Mandarin Blackpastel Ghost
オレンジの発色が持ち味のNR Mandarinの効果で
しっかりとBack LineとSideの栓抜き柄の中がオレンジ色になっています。
Blackpastel Ghostだけでもオレンジ色の発色は出ますが
ここまで濃いオレンジ色は出ないのとどちらかというと
紫色が綺麗に出るComboなので
しっかりとNR MandarinとBlackpastelの良さが出た個体だと思います。
やはりここからSuper Mandarinを狙って濃いオレンジの中に
薄紫が出た個体を作出してみたくなります。
↑TSK True Ghost
True GhostはAxanthic Ghostの別名になります。
TSK True GhostはTSK Line Axanthicを用いたTrue Ghostという事になります。
True Ghostは何といってもモノクロの体色が特徴的で
他のComboで同じ色合いを作出するのはほぼ不可能だと思います。
True Ghostは銀色がしっかり残りつつ黒の発色も出ながら
Adultになるにつれてモノクロに近づいていくイメージです。
近いComboでAxanthic DGがありますが
大きな違いはAxanthic DGの方が暗色部の色が
絵の具で塗られた様なベタ塗りの白色に近づいていく事です。
完全にDGの特徴がAxanthicとComboになっても表れています。
↑Tristripe Ghost
劣性モルフのTristripeとのComboです。
基本的にColor Morphとの相性が良いTristripeのComboの中で
個人的に1番好きな組み合わせです。
背中のセンターラインを走るStripeの色も
明色部の色合いもGhostが入る事で渋く淡くなっているのが
分かりやすくFull Adultになった時に最もカッコいい状態になると思います。
Full Adultの姿が1番カッコよくなる事はBallpythonでは珍しく
成長を楽しめるのもGhostの醍醐味かと思います。
↑Super Chocolate Puzzle Ghost
Hi Ghost Comboを最後に載せて終わりにしようと思います。
PuzzleはMorphとして確立されてから数年経ちますがまだまだ高額Morphで
劣性モルフとのComboは更に数が少ないのが現状ですが
世界のTop Breederは先を行っています。
Chocolate.PuzzleともにPatternに大きな変化をもたらすMorphで
そこにColor MorphのGhostが加わったComboになります。
Super Chocolateはバンディット表現が強くなりますが
そこにPuzzleが入る事でバンド表現が残りつつPuzzle独特の乱れが表れています。
そしてGhostの色合いが足されてこの様な表現に落ち着いています。
全てのMorphの良い所が出ている個体で
いつかこの様な自分の好きなMorphや表現を足して
それぞれの良さを存分に引き出した個体を作出していきたいと思います。
今回はGhostについてまとめていきました。
Ghostは個人的に大好きなMorphで基本的にはどのMorphとも相性が良く
Breed目線でもペット目線でも最高なMorphだと思います。
昔からあるMorphで長年Breedされてきたことから
値段も劣性モルフの中では手が出しやすい価格帯に落ち着いています。
この機会に是非Ghost Comboを調べて
様々な個体を見てみて下さい。
δ7Ballpython
画像引用 WOB












