Stranger 優性モルフ(Dominant Morph)
Stranger
日本語に直訳すると【見知らぬ者】
一体なぜこのような名前が付けられたのかを順を追って説明していく。
Strangerは2012年にNetherland(オランダ)で偶然誕生する事となります。
OriginatorはIRES Reptiles.
ちなみに余談ですがIRES Reptiles の名前の由来は
4人の名前の頭文字
Ingrid.Roland.Els.Sanderから取って付けられました。
なぜStrangerが偶然誕生したのかというと
2012年にIRES Reptiles が
Clown ♀×Pastel Butter ♂
を交配させたところ
Pastel Butter het Clown×2
Buttrer het Clown ×2
Pastel het Clown×1
これらに加えて
驚くほど異なった見た目のBaby2匹が誕生しました。
1匹は野生色の渋い黒色が特徴的な個体で
もう1匹はPastel Butterに明らか他の遺伝子が入っている見た目の個体でした。
野生色の強い個体は Stranger het Clown だと後に分かります。
そしてPastel Butterに
明らか他の遺伝子が入っている見た目の個体がこちら↓
↑ Pastel Butter Stranger het Clown ♂
いきなりこんな個体が出てきたらびっくりどころではないですね。
途切れたStripeに黒色の縁取りがカッコよく、
頭の部分の色抜けも目立ち、Sideの模様が小さくなり
お腹側に引っ張られていくのが特徴的です。
2匹とも♂だった為、今後の繁殖にて活躍する事となります。
そして、翌年の2013年。
昨年産卵した同じ♀のClownを用いて
Clown ♀×Pastel Enchi ♂
を交配させました。
結果はPastel het Clownとは
明らかに異なる表現をしている♀が誕生します。
↑ Pasel Stranger het Clown ♀
頭の抜けと明るい部分は完全にPastelの特徴が良く出ていて
暗色部はStrangerによる深い色が発現して
とてもContrastが効いていますね。
また、やはりSideの模様が小さくなり
お腹側に引っ張られるStrangerの特徴がはっきり出ています。
これらの事から分かることは同じClown ♀を繁殖に用いて
明らかに違う表現をしたBabyが生まれてきているということは
Clown ♀の中に隠された遺伝子があるということです。
このことからClown ♀はStranger Clown ♀だったことが分かりますが
表現的には普通のClownと変わらなかったそうです。
そして、2014年に2012年に誕生した
Stranger het Clown ♂を用いて繁殖を行います。
Normal ♀×Stranger het Clown ♂
↑2014/06/22 Clutch画像
明らかに♂のStrangerの表現が出ている為
遺伝していると判断できます。
更にStrangerは優性遺伝する事がこの時点で確立されました。
(このClutchでは7匹のStrangerを確認)
それから約1か月後の2014/08/07に
別血統のClown ♀に2012年に誕生した
Pastel Butter Stranger het Clown ♂を用いて繁殖を行います。
Clown ♀×Pastel Butter Stranger het Clown ♂
のClutchから
Pastel Stranger Clown×2
Pastel Butter Stranger Clown×1
等が誕生しました。
今までには見たことのない
Ballpythonの誕生は世界に衝撃を与えました。
その後は様々な疑問が多く議題に挙がっています。
Strangerは必ずhet Clownなのか?
優性遺伝なのか共優性遺伝なのか?
MahoganyとLine違い?
Mahoganyとは対立遺伝?
今既に分かっていることもありますが、
間違いないのはStrangerは必ずhet Clownでは無いということです。
PuzzleというMorphがPastelと深い関係にあるのは
有名な話ですがそれに似た関係だと個人的には思っています。
また、優性遺伝なのか共優性遺伝なのかは今のところ
優性遺伝である可能性が高いです。
そして、度々議題に挙げられる
Mahoganyとの関係ですが、
似ている部分はありますが違うMorphだと思っています。
Left Mahogany Right Stranger
個体差はあると思いますが、色がやはり違いますね。
Mahoganyの特徴である焦げ茶色と
Strangerの黒色は質の違うDark系だと思います。
自分はどちらかというとStrangerは
Super Chocolateに似ていると最初感じました。
↑Super Chocolate
ただ、この様に比べるとPatternは似ていますが
やはり色はStrangerの方が黒く深い色をしていますね。
そして、Allelic(対立遺伝)なのかという疑問は
おそらく違うかなと思っています。
理由としてはMahoganyとStrangerが
Allelic(対立遺伝)だった場合、
そのComboであるMahogany Strangerは
Suma aka Super Mahoganyに似た
焦げ茶色よりの真っ黒な体色に似た表現になると思うのですが
実際は2つのMorphの表現がしっかり出た
見た目になります。
↑Mahogany Stranger 50% het Clown
Allelic(対立遺伝)の表現は
スーパー体になった時に劇的な変化が
起こる事が多いですがこのComboでは
それは見られません。
Stripeが太く強調されSideの模様は小さくなり
腹側に向かって伸びていく。
そして、黒の表現が強い中で茶色の発色も
綺麗に出ており、頭頂部の色も
Mahoganyの特徴である茶色い頭をしています。
まだまだ新しいMorphであるStranger.
謎がまだ多いですが、魅力的であることは
間違いないですね。
個人的にはやっぱりStranger Clownが好きです。
↑Stranger Clown
ClownとのComboでここまで劇的に変化をもたらす
Single Morphは今までに無かったと思います。
柄が乱れた表現やDark系の
Ballpythonが好きな方は間違いなく好きなMorphです。
Dark Morphとの相性が抜群なので
いくつか紹介したいと思います。
↑GHI Stranger
Strangerの表現がGHIよりも強く出ています。
GHI Mojaveにもこの様なTypeの表現をする血統がありますが
Stripeが乱れるTypeの血統のGHIを用いてComboにした時
どの様な表現になるのか気になります。
↑Mojave Stranger
こちらはStripeが強調されています。
ほとんどのMojave Strangerでこの様な
表現になるのか、それともStripeが乱れた表現になるのか
色々試してみたくなります。
個人的にはGHI Mojaveの様に
血統によってMojave Strangerの
表現も様々なTypeが出てくるのではないかと思っています。
↑Crimson Spice aka Leopard Spotnose Stranger
最後にこのComboを紹介して
終わりたいと思います。
メリハリがめちゃくちゃ利いていて
柄の乱れも最高です。
SpotnoseとLeopardの柄を乱す効果に加えて
柄の間の間隔が空きつつ腹に向かって
伸びていくStrangerの表現が
しっかり出ていて個人的にはドストライクな
Comboだったので取り上げました。
Yellowbellyが入っていそうなどぎつい
黄色も最高にイカしています✊
最後にStrangerが出てきた歴史などを
振り返ってみるとまだまだBallpythonの
可能性や魅力の幅は無限大だとまじまじと感じました。
見た目は普通の表現のClownから
ここまでいかした見た目のStrangerが出てくるなんて
生き物の遺伝子の凄さに感服です。
これからも分かった事があれば
ここに更新していくつもりです。
大分長くなりましたが最後まで
読んでいただきありがとうございます。
δ7Ballpython
画像引用
IRES Reptiles
KINOVA