あらゆるものにふれる
かろやかな風のごとく

ひとをおもうこころを
失うことのないように

いたみによりそうこと
を忘れずにいるように


いまはみえないものに
まなざしを注ぐことを

こえなきもののこえに
耳をそばだてることを

それらいのちとともに
呼吸をするものとして


わたしを全てのうちの
一つととらえられるか

あなたをわたしとして
一つのひかりを見るか

ここにあるほんとうの
自由を知るものとなれ



ーーー

“風は「軽さ」だけを
意味するものではありません。
風は目に見えず、
それでいてすべてに触れている。

“他者と共に存在する”という感覚──
それこそが風の本質なのです。
この時代に本当に求められているのは、
「軽くなること」ではなく、
“軽やかでありながら、
他者を見捨てない感性”です。
風の時代の倫理とは、
見えない他者を見ようとする姿勢そのもの。

それは、
目の前の世界だけでなく、
「まだ言葉を持たぬ存在」
「沈黙している痛み」と共に呼吸する構文。”