荒廃した戦場。
そこはこの世の最果てか。
はたまたつわもの達の楽園か。
そこに一つとして息吹は無く、生命の温かさは皆無。
吹き荒れる砂嵐がノイズのように視覚と聴覚を奪い、虚無を与えた。
しかし。
そこに動く影は二つ。
横たわった人の形をした兵器が二体。
儚げに伸ばされ掲げられた腕は二本、天を突き破ろうと拳を握る。
「なぁ、001。俺たちって、どこで間違えたんだろうな」
「・・・さぁな」
「なぁ、001。俺たちって、なにを間違えたんだろうな
「・・・さぁな」
「なぁ・・・・・・俺たちは、死んだのか?」
意味の無い問答。形の無い後悔。心の無い声。
プロトタイプA001とコードナンバー0818IRANは、互いの信念を胸に戦い、そして倒れた。
言わば彼らは兵士であり、それと同時に戦士であった。
戦士の死に様は、そのことごとくが戦死である。
今の彼らは、すべからく戦士であった。
「IRAN、俺たちは死んでいない。こうやって会話をし、そして虚空に手を、拳を伸ばしている」
握られた拳は、ひどく冷たかったのだろう。
当然、彼らは人の温かさを持ち得ない存在。
だがしかし、人の心を持ち得るという哀しい矛盾。
いったい彼らは、なぜ存在しているのだろうか。
そしてなぜ、傷付いているのだろうか。
なぜ、拳を掲げえているのだろうか。
「001、一つだけ、解ることがある。どうして俺たちは争い、こうして横たわっているか、だ」
「・・・なんだ」
「俺たちは・・・まだ、出逢うべきじゃなかったのかもしれないな」
「・・・」
「もし・・・もし、もうちょっと違う出逢い方をしていれば・・・なにかが、変わっていたかもしれない。そんな風に思うんだ。そう思わないか?」
「・・・そうかもしれないな。もし・・・もし、あと3年でも遅かったら、なにか違っていたかもしれないな」
A0001は、握られていた拳を開く。陽光は五本の柱に切り裂かれる。
「・・・・・・3年か。長いな。俺たちの人生の100分の1にも満たないが、確かに長い。燃料が干上がっちまいそうだ」
それにつられて、IRANも拳を開いた。
それから、どれだけの時が流れたのだろう。
陽光は消え、砂嵐は去り、空には暗澹とした雲が流れていた。
ぽつり。
ぽつり。
雨。
全てを洗い流す、無慈悲な雨。
やがて勢いを増し降りしきる雨の中、何の気もなしにIRANが唐突に口を開けた。
「3年だ」
ぽつり。
降り始めの雨のように微かに、しかし心の底に響くような声。
「・・・・・・3年?」
A001の疑問符を含んだ声。しかし淡々としている。
「なにか、変わったのかもしれないだろう? 3年で」
「あぁ、きっと・・・なにかが変わったかもしれない」
「そのなにかを、変えてみないか?」
決意のようなIRANの声が、雨に混ざった。
「3年で変えられるなにか、変えられるなら、俺は変えてみたい。これが運命だと言うなら、俺は変えてみたいと思う。たとえば、この世界とは違う世界で巡り会えていたなら、それはそれで面白いかもしれないじゃないか」
IRANの拳は、今、再び握り直される。
「そのとき、たとえ・・・ば・・・・・・・001がいてく・・・れたなら・・・・・・もしか・・・したら・・・・・・」
次第に掠れていくIRANの声。
ついに迎える崩壊。極限まで行使された機械は、役目を終えて壊れる。それが機械だ。
しかし、その言葉尻はA001の中に届いていた。
「・・・・・・わかった。もし、そのとき」
A001の拳も、今、確かに握り直された。
「IRANが俺を必要とする時、俺はお前の呼び声に応えよう。どんな姿になっていても、どんな世界になっていても、お前が必要とするならば・・・俺は応えよう。必ず応えよう」
「だから・・・・・・・・・その・・・・・・・・と・・・きは・・・・・・・・だから」
約束だ――
言葉尻を言うことなく、その機械も活動を停止する。
世界の小さな国で生まれ、小さな戦争に巻き込まれ、小さな崩壊を遂げた二体の金属は、
しかし大きな誓いを立てた。
天高く掲げられた二つの拳は、もう動くことはない。
短い夢は終わったと告げている。
さぁ、新しい夢を見よう。
きつく握られた二つの拳は、いつの間にか、
支え合うように傾き重なっていた。
Not fin.
調子が乗ってきたから、以前すんげー適当にブログに書いてた話の後日談を作ってみた。
無駄に調子乗ってたら、すんげー無駄に時間かかった。
ちょっとアホくせぇ。
明日はNaRiのブログだな。
ちょっと後日談作ってみてよ。
ぐっばい。
そこはこの世の最果てか。
はたまたつわもの達の楽園か。
そこに一つとして息吹は無く、生命の温かさは皆無。
吹き荒れる砂嵐がノイズのように視覚と聴覚を奪い、虚無を与えた。
しかし。
そこに動く影は二つ。
横たわった人の形をした兵器が二体。
儚げに伸ばされ掲げられた腕は二本、天を突き破ろうと拳を握る。
「なぁ、001。俺たちって、どこで間違えたんだろうな」
「・・・さぁな」
「なぁ、001。俺たちって、なにを間違えたんだろうな
「・・・さぁな」
「なぁ・・・・・・俺たちは、死んだのか?」
意味の無い問答。形の無い後悔。心の無い声。
プロトタイプA001とコードナンバー0818IRANは、互いの信念を胸に戦い、そして倒れた。
言わば彼らは兵士であり、それと同時に戦士であった。
戦士の死に様は、そのことごとくが戦死である。
今の彼らは、すべからく戦士であった。
「IRAN、俺たちは死んでいない。こうやって会話をし、そして虚空に手を、拳を伸ばしている」
握られた拳は、ひどく冷たかったのだろう。
当然、彼らは人の温かさを持ち得ない存在。
だがしかし、人の心を持ち得るという哀しい矛盾。
いったい彼らは、なぜ存在しているのだろうか。
そしてなぜ、傷付いているのだろうか。
なぜ、拳を掲げえているのだろうか。
「001、一つだけ、解ることがある。どうして俺たちは争い、こうして横たわっているか、だ」
「・・・なんだ」
「俺たちは・・・まだ、出逢うべきじゃなかったのかもしれないな」
「・・・」
「もし・・・もし、もうちょっと違う出逢い方をしていれば・・・なにかが、変わっていたかもしれない。そんな風に思うんだ。そう思わないか?」
「・・・そうかもしれないな。もし・・・もし、あと3年でも遅かったら、なにか違っていたかもしれないな」
A0001は、握られていた拳を開く。陽光は五本の柱に切り裂かれる。
「・・・・・・3年か。長いな。俺たちの人生の100分の1にも満たないが、確かに長い。燃料が干上がっちまいそうだ」
それにつられて、IRANも拳を開いた。
それから、どれだけの時が流れたのだろう。
陽光は消え、砂嵐は去り、空には暗澹とした雲が流れていた。
ぽつり。
ぽつり。
雨。
全てを洗い流す、無慈悲な雨。
やがて勢いを増し降りしきる雨の中、何の気もなしにIRANが唐突に口を開けた。
「3年だ」
ぽつり。
降り始めの雨のように微かに、しかし心の底に響くような声。
「・・・・・・3年?」
A001の疑問符を含んだ声。しかし淡々としている。
「なにか、変わったのかもしれないだろう? 3年で」
「あぁ、きっと・・・なにかが変わったかもしれない」
「そのなにかを、変えてみないか?」
決意のようなIRANの声が、雨に混ざった。
「3年で変えられるなにか、変えられるなら、俺は変えてみたい。これが運命だと言うなら、俺は変えてみたいと思う。たとえば、この世界とは違う世界で巡り会えていたなら、それはそれで面白いかもしれないじゃないか」
IRANの拳は、今、再び握り直される。
「そのとき、たとえ・・・ば・・・・・・・001がいてく・・・れたなら・・・・・・もしか・・・したら・・・・・・」
次第に掠れていくIRANの声。
ついに迎える崩壊。極限まで行使された機械は、役目を終えて壊れる。それが機械だ。
しかし、その言葉尻はA001の中に届いていた。
「・・・・・・わかった。もし、そのとき」
A001の拳も、今、確かに握り直された。
「IRANが俺を必要とする時、俺はお前の呼び声に応えよう。どんな姿になっていても、どんな世界になっていても、お前が必要とするならば・・・俺は応えよう。必ず応えよう」
「だから・・・・・・・・・その・・・・・・・・と・・・きは・・・・・・・・だから」
約束だ――
言葉尻を言うことなく、その機械も活動を停止する。
世界の小さな国で生まれ、小さな戦争に巻き込まれ、小さな崩壊を遂げた二体の金属は、
しかし大きな誓いを立てた。
天高く掲げられた二つの拳は、もう動くことはない。
短い夢は終わったと告げている。
さぁ、新しい夢を見よう。
きつく握られた二つの拳は、いつの間にか、
支え合うように傾き重なっていた。
Not fin.
調子が乗ってきたから、以前すんげー適当にブログに書いてた話の後日談を作ってみた。
無駄に調子乗ってたら、すんげー無駄に時間かかった。
ちょっとアホくせぇ。
明日はNaRiのブログだな。
ちょっと後日談作ってみてよ。
ぐっばい。
