私自身が、wais検査を受けた時の記録です。
★今後、wais検査を受けようと考えている方は、読まないことをお勧めします。
息子に発達相談を受けてほしかったのに、中学生にもなると、偏見なのか、
普通から外れることに非常に不安を感じる息子の特性なのか、
絶対にメンタルクリニックにはいかないと言う。
いまだに、精神科って高いハードルなのかな。
ウツが心の風邪で誰でもかかるという事実は、広まってきたけれど、
中学生には、発達障害でさえ、まだ正しい知識はいきわたらない。
そこで、母である私自身がまず初めにメンタルクリニックに行ってみることにした。
自分が発達障害であることには、以前から限りなく黒に近いグレーだろうなと気が付いていた。
自分の傾向はADHDが強めでASDもあるなと見当がついていたけれど、
詳しい能力の偏りは分からなかったので、一回、WAIS検査を受けてみたいなと思っていた。
近場のメンタルクリニックを探す。どこのメンタルクリニックもなかなか予約が取れない。
一つ予約が取れそうで、HPの担当医紹介の内容が、私に向いていそうだと感じたクリニックを見つけた。
担当医は、偏差値が高い男子校にいそうなタイプで、親切そうじゃなくてあっさりしてるところがよかった。
ASDとADHDをはっきり分けない先生で、私はどっちもありそうだねーと診断。
3回目の診察で、WAIS検査を受けることに。
そもそも、息子のためのメンタルクリニック受診、私の中では優先順位が低かった。
案の定、前日まですっかり忘れていて、当日は遅刻ぎりぎりで到着。
先生に昨夜は寝れましたかと聞かれて、テスト前ってきちんと寝なければいけないということを忘れていて、明け方まで映画観ていたことを思い出す。
正直に言うと、こいつもかー!っていう顔になったので、発達障害患者よくあるあるなのかも。
早速、検査室に行く。担当医とは別の若い女性の心理士さん。
表情があまりない無口な方で(検査だからわざとそうしているのか)、
狭い密室に二人きりで閉じ込められ、急に不安になる私。
しかも、検査内容の前情報いっさいなかったので、どんなことをするのか、
何時までこの状態で閉じ込めらるのか分からず、ますます焦燥感にかられる。
そう言えば、最近、他人の話を密室で一方的に聞かなければならない状況があまりなかったので忘れてたけど、私はこういう状況に非常にストレスを感じるのだった。
ウギャーと叫んで部屋を飛び出したくなる気持ちを抑えて、
相手の話に集中することに努めるも、早く検査を終わらすことだけしか頭になくて、
全て瞬殺で答えて、粘って深く考えるということは放棄していた。
しかも、(早く終わらすために)どう答え方た方がよいのか、がんがん心理士さんに聞いていたので、検査者に正誤を確認する様子が目立ちますと結果報告に書かれていた。
言語理解は、自分の知っていることを応えればよいだけなので、はい次!次!
という感じで楽だった。
知識のところは、文系の問題は即答できてたのだけど、理系の問題は全く分からなかったので、つくづく興味がないことは覚えてないのだなと自分の脳みそに感心した。
雲行きが怪しくなったのは積木模様あたりから。
自分ではパズルはわりと好きなので、積木模様、らくしょう~♪と臨んだものの、
赤と白の模様が、視覚過敏からくるのかチカチカして見えづらく、思いのほか時間がかかってしまい、得意だと思っていたのに、
あれっ?できないと焦りだしている自分を感じられた。
さらに、一番できなっかった行列推理。
並べられた図形から法則性を見つけるものだけど、何回見ても法則性が分からなくて、
途中で、面倒臭くなって、てきとーに答えていました。
制限時間は言われていなかったので、
分からなかったら、時間をかけて考えればよいのだろうけど、
早く解放されたい一心で、ぱっと見のカンで即答していくスタイルの私。
そう言えば、自分の人生の選択も、このようにしていなかったか。
プレッシャーがかかると、悩むのが面倒臭くなり、人生の大事な選択もカンでテキトーに即決していた。
カンが当たったかどうかは、行列推理の致命的なできなさ具合と同じく……
よく発達障害の人は二者択一思考に陥りがちというけれど、
このプレッシャーがかけられると、見通しのきかない中途半端で曖昧な状態から抜け出したくてたまらなくなり、
早く白黒つけたくなってしまってしまうからだと思う。
行列推理ができないことから、検査結果では
「物事の見通しを立てたり、規則性を把握することに難しさを感じるかもしれません」と書かれていた。物事の見通しが立てられないのは、本当にその通り!
見通しどころか、私は新しい場所や物事に接する時、予測が立てられないからか、
一瞬頭が真っ白になるくらい見方ややり方が分からず、フリーズすることが多い。
フリーズすればまだよいけれど、変な思い込みで全くとんちんかんな行動をとってしまうこともある。
そういう時は、他人の話をよく聞いて観方を教えてもらえれば何とかなるのだけど、
聞くという能力も低いので、慌てている時は全く人の話が頭に入らないので、
自滅することが多い。なんと、ポンコツな脳みそ。
でも、その代わりに、良い面もあって、
一つの観方に捉われにくいなという特性もある。
私の中にはレッテルはりとか差別意識とかあまりないなあと感じる。
あと、発想が柔軟で新しいことを思いつきやすい。
物事に対する観方を一定にできないので、
普通の人がしない観方をすることができる時もあるのかなと思う。
行列推理の次にできなかった検査項目は、聞いた情報を保持していられるかという項目。
以前から自分は聞くことが弱いなあと思っていたので、
メモをとるということで忘れないように物事に対処していた。
検査では、全くメモを取れないので、聞いたことをそのまま覚えて情報処理をしなければならない。
メモが取れないということは、こんなにも困難なことだったとは!
簡単な算数の問題も、式を書けないことで全くわからない。
音だけの情報だとチンプンカンプン。
私はつくづく視覚情報メインで生きているのだと実感。
途中から、頭の中で数字や図のイメージを思い浮かべればよいのだと気が付いたので、何とか平均の点を取ることができた。
最後の項目は、簡単な視覚的情報処理。
この検査は運転免許取得時の適正検査でもやったことあるし、
見本通りにマークを書けばよいだけ。
今までの項目と違って、ちょーかんたん~♪と調子良くできたので、ほぼ全部できた。
なので、最後の情報処理速度のみが、とんでもなく高得点になってしまい、
行列推理との差が際立ってしまいましたとさ……
【WAIS検査は項目ごとの点数差があればある程、発達障害が疑われます】
見たままに手を素早く動かすという作業は、美大受験でデッサンの練習をした人は誰でも高くなりそう。いかに時間内に素早く手を動かして見たままに描くかが勝負なので。
こうしてみると、もとからの生来的な能力もあるけれど、
若い時の経験や学習の影響が大きく左右するなと感じたWAIS検査。
行列推理の低さも、理数系の勉強をもうちょっとやっていたら変わっていたかも…
それなので、幼少時からの療育とか、自分の認識方法を鍛えるための勉強って大切だなあと感じたWAIS検査でした。